大船渡山林火災からの復興を支える猫用品
2025年2月26日、大船渡市で発生した山林火災は、平成以降で国内最大規模の被害をもたらしました。約3,370ヘクタールもの森林が焼失し、被害総額は約102億円にのぼります。火災後の復興に向けて、被災木の活用が急務となる中、岩手県盛岡市を拠点とする株式会社クロス・クローバー・ジャパンが、ブランド『nekozuki』として新たな取り組みを開始しました。
被災木を活用した猫用品の展示
2026年2月12日・13日に開催された『WOODコレクション(モクコレ)2026』では、被災木を使った猫用品が展示されました。この取り組みは、森林の循環を意識し、被災木の利用拡大を目指すものであり、岩手県内唯一の事例として、展示会の中で紹介されました。
展示された商品は以下の通りです:
- - がりがりマット(爪とぎ)
- - ちょいちょいBOX(おもちゃ)
- - ねこずきのたまご(ボール)
このような猫用品は、ただの製品ではなく、大船渡市の自然に対する新たな敬意と感謝の形でもあります。
被災木との出会い
クロス・クローバー・ジャパンの代表、太野由佳子氏は、大船渡市との深い関わりを持つ中、山林火災が被災木を生み出す要因となっていることを認識しました。通常であれば処分されるはずの木材を、可能性に満ちた新たな製品へと活用することに挑戦しています。「いつか恩返しをしたい」という思いが、実際の商品開発の原動力となりました。
長い方針決定の過程を経て、被災木の強度や安全性を検証することが必要でした。この検査では、外見が焼損している部分でも内部は健全であることが確認され、被災木の利用に対する道が開かれたのです。
設計と製造の試行錯誤
製品化の過程では、職人たちとの連携が不可欠でした。最初は驚かれたものの、被災木の活用が地域の課題となっていることを説明し、共感を得ることができました。その結果、試行錯誤を経て数回の改良を重ね、猫が捨てた用品の品質を確保しました。
このように開発の現場では、ネコたちの生態や行動に対する理解を深め、彼らが実際に使ってみることができる商品を開発することに注力しました。
社会実装の現状
火災後の被災木利用は、今なお進行中で、全体のわずか0.01%にあたる約20ヘクタールが除去されています。機会を逃すと木材は枯死してしまうため、社会での有効活用が求められています。
クロス・クローバー・ジャパンの製品である、「がりがりマット」「ちょいちょいBOX」「ねこずきのたまご」は、いずれも好評を得ており、初回販売分は短期間で完売。お客様からも高評価を得ています。
反響と今後の展望
展示会での反響は非常に大きく、「被災木を使った製品があるとは知らなかった」「応援したい」という声が多く寄せられました。今後も地域との連携を深め、被災木を活かした他のネコ用品の展開を計画しています。
nekozukiについて
株式会社クロス・クローバー・ジャパンは、「ネコ目線のモノづくり」をコンセプトとしており、これまでに多くの商品を開発しグッドデザイン賞を受賞してきました。今後も猫と飼い主にとってより良いプロダクトの実現に向けて取り組んでいきます。環境保護と地域復興の両立を目指すこの活動は、猫用品にも新たな命を吹き込み、未来へつながるものになるでしょう。