九州の共同輸配送実験
2025-11-20 10:48:39

九州における共同輸配送実証実験が始動、持続可能な物流モデル確立に向けて

九州における共同輸配送実証実験が始まる



福岡・佐賀を中心に、物流の効率化を図るため、九州物流研究会と株式会社Hacobuが新たな取り組みを開始しました。その名も「物流DXツールを活用したN対Nの相互配車事業」の実証実験です。本実証では、イオン九州株式会社をはじめとする6つの小売企業の膨大な輸配送ルートを、Hacobuが提供するクラウド物流管理ソリューション「MOVO」を用いて解析します。これにより、ドライバー不足や環境問題など、物流業界が抱える難題に立ち向かう持続可能な共同輸配送モデルの確立を目指しています。

物流課題の背景



現在、物流業界は「2024年問題」と呼ばれる労働力不足や、ドライバーの高齢化、環境規制の強化といった問題に直面しています。特に予測によると、2030年度には福岡県で36%、佐賀県では40%ものドライバーが不足する可能性があると言われています。このままでは、物流サービスの持続的な提供が難しくなるという懸念が広がっています。

そこで注目を集めているのが「共同輸配送」という手法です。複数の企業がトラックや拠点を共同で利用することで、輸配送の効率化を図ることができます。つまり、労働力不足の緩和やCO2排出量削減といった利点が期待できるのです。

九州では、2022年8月に地域の小売企業や物流事業者が集まる「九州物流研究会」が設立され、協力体制を築いています。この研究会では、店舗配送や商品調達などさまざまな分野において共同輸配送を実施し、トラックの積載率の改善や走行距離の短縮といった成果を上げているのです。

デジタルツールによる効率的な取り組み



しかし、参加企業や拠点が増棒するごとに、候補ルートは急増し、人手での検討が困難になるという課題も浮上しています。特に福岡・佐賀に拠点を持つ6社のデータを組み合わせると、人間の手では処理しきれない膨大な候補が生まれるため、デジタル技術の活用が不可欠です。

このような現状を受け、九州物流研究会はHacobuとの連携を強化し、データを基にした共同輸配送の検討を進めることになりました。Hacobuのクラウド物流管理ソリューション「MOVO」シリーズは、すでに全国の37000超の事業所で利用されており、月間300万件以上のトランザクションが行われています。これにより、各社がデータを持ち寄る必要がなくなり、共同輸配送の推進がスムーズになります。

実証実験の具体的な内容



実証実験は、複数の企業から成る参加者が協力して行います。主な目的は、デジタル技術を活用して効率的な共同輸配送を実現することです。輸配送ルートの組み合わせが膨大になるため、手作業での検討は実質的に不可能となります。このため、Hacobuの「MOVO」シリーズに蓄積されたデータを分析し、実現可能なパターンを見出します。

本実証は、500社以上のメーカー、小売物流センター11カ所、385店舗以上を対象に行われ、候補ルートの選定にあたります。これにより約200万通りのルート候補が算出される見込みです。

具体的には、トラック予約受付サービス「MOVO Berth」に蓄積されたデータや、動態管理サービス「MOVO Fleet」から集めた情報を、共同輸配送支援サービス「MOVO X-Data」で解析し、効率的に実現可能な輸配送パターンを導き出します。

展望と今後の計画



将来的には、福岡・佐賀を起点に九州全域、さらには全国に展開することを考えています。具体的なユースケースとしては、メーカー同士の共同納品や小売による集荷、複数小売間の共同輸配送が考えられています。

今後は、MOVO未導入の店舗や拠点への導入やデータの収集、候補ルートの探索を行い、2026年には実際の運行を予定しています。これにより、持続可能な共同輸配送モデルの社会実装が進むことが期待されています。

この取り組みに参加する企業には、イオン九州株式会社や株式会社イズミ、株式会社コスモス薬品などが名を連ねており、物流の円滑化に向けた協力体制が築かれています。九州物流研究会とHacobuの取り組みは、地域の物流の未来を変える大きな一歩となることでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社Hacobu
住所
東京都港区芝5-29-11G-BASE田町4階
電話番号
050-5358-8885

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