特許庁長官表彰受賞した積水化学の知財活用戦略とは？

令和7年度の知財功労賞において、特許庁長官から表彰を受けた積水化学工業株式会社。この成功は、同社の知的財産に対する取り組みの賜物です。今回は、同社がどのような戦略で知的財産を活用し、事業の成長を実現しているのかを詳しく掘り下げていきます。

知財功労賞とは？

知財功労賞は、日本の知的財産権制度の発展と普及に寄与した個人や企業に与えられる名誉です。この賞は、特許庁と経済産業省が主催し、毎年4月18日の発明の日に発表されます。
積水化学は、特許庁長官表彰として知られる知財活用企業（特許）のカテゴリーで受賞しました。この受賞は、同社の知財戦略が的確であり、社会的に意義のある成果を上げていることを証明するものです。

特許庁長官表彰受賞のポイント

積水化学が知財功労賞を受賞した理由はいくつかあります。まず、同社はペロブスカイト太陽電池と呼ばれる次世代の太陽電池の研究開発に積極的に取り組んでいます。このペロブスカイト太陽電池は、2025年度に市場に登場する予定であり、特にフィルム型が屋根や壁に設置しやすく、将来性が期待されています。

また、同社は事業化のプロセスの中で、知財の観点から厳格なレビューを実施しています。開発戦略や事業戦略、知財戦略を組み合わせたことで、特許マップを活用して事業部門との連携を強化しています。
このようにして、特許を獲得する領域や秘匿すべき情報を見極め、リソースの最適化を図ります。ペロブスカイト太陽電池においても、自社特許と共同開発のバランスを考えた知財戦略を採用し、高いマーケットシェアを狙っています。

有望な知財担当の育成

幅広い事業を展開する中で、知財担当が事業収益に貢献できる能力を高めるため、マーケティングや会計など知識の広がりを促進しています。これは、知的財産の重要性を理解し、自身の成長と事業の成長を合わせるための取り組みです。

知的財産活動の重要性

積水化学グループは、研究開発で得た知的財産が企業の経営資源として不可欠であると考えています。特に知的財産に関しては、独自の規則を設け、「知的財産の創造、保護、活用」を奨励し、事業成長につなげることを企業方針としています。
市場環境や競合の分析に基づいた戦略を展開し、国内外での特許出願、権利化を効率的に進めています。これにより技術の競争力を維持し、事業としての利益を最大化させることを目指しています。