ファッション業界を志す学生の就業意識と企業選択のトレンド

ファッション業界を志す学生のための就業意識調査

株式会社iDA（アイ・ディ・エー）は、ファッション業界を目指す学生の就業意識に関する調査を実施しました。この調査は、2024年10月21日から2025年1月14日の期間にわたり、iDAのアンケートフォームを通してファッション業界に興味を持つ大学生や専門学校生を対象に行われ、合計519名から回答を得ました。調査結果は、日本女子大学家政学部被服学科の勝又淳司氏によって分析され、2025年12月20日に文化学園で行われた全国大会にて発表されました。

調査の目的

この調査の主な目的は、ファッション業界を志望する学生が就職先を選ぶ際にどのような要素を重視しているかを把握することです。学生の未来を見据えた業界の課題を明らかにすることで、業界の発展に寄与したいとの思いが背景にあります。

学生が重視する企業の条件

調査結果によると、学生が企業選択時に最も重視する要素は「転勤がないこと」であり、次いで「福利厚生」と「給与の高さ」がポイントとなりました。これには、将来的な生活の安定を求める傾向が影響しています。経済の不透明感が高まる中、結婚や家庭を考える際に転勤の有無が重要視されています。結果として、「生活の安定」が多くの学生にとって最優先事項になっています。

インクルージョンの重視

多様性や平等な扱いを求める「インクルージョン」も、企業選択時に重要な要素として挙げられました。学生は企業がどのように社会的配慮や持続可能性に取り組んでいるかを意識し、特に全ての社員に平等をもたらす環境の整備を重視しています。今回の調査では、サステナビリティへの取り組みや環境保護活動も高い関心を集めており、企業側はこれらのニーズに対応する必要があるでしょう。

ファッション業界の雇用条件への不安

ファッション業界を選ぶ上での不安要素も調査されました。最も多くの回答を集めたのは「給料が低そう」という懸念で、次に「ノルマの厳しさ」や「残業」が続きました。このような経済状況において、優秀な人材を確保するためには、ファッション企業は他業界と比較しても競争力のある労働条件や給与を提供する必要があります。学生たちが求めているのは、単なる安定だけでなく、働きがいも含めた魅力的な条件です。