ASNOVA、2025年第1四半期決算発表で成長戦略を強調

株式会社ASNOVAは、2024年8月9日に2025年3月期第1四半期決算を発表し、その業績の詳細を明らかにしました。名古屋市に本社を置く同社は、くさび式足場のレンタルおよび販売を主な事業としており、2025年3月期の第1四半期において、売上高は前年同期比で19.1%増の9億4,300万円に達しました。この成長は、足場に対する需要の増加によるもので、特に販売部門の好調さが寄与しています。

一方、営業利益については前年同期比で3,500万円の減少となりましたが、これは計画通りの進捗状況であると同社は説明しています。この減益は、前年に一時的な利益増があったことが影響しており、今期の計画に対しては順調に進んでいるとのことです。EBITDA（利払い・税金・償却前利益）に関しても前年同期比で16.7%増加するなど、全体としては堅調な数字を見せています。

さらに、ASNOVAの直営とパートナーを通じた機材センター網の拡大施策が、顧客からの強い支持を得たことも売上増加に寄与しました。ただし、海外子会社であるASNOVA VIETNAMが現段階では投資フェーズにあるため、営業利益に貢献するにはまだ時間がかかる見込みです。

通期の業績目標については、同社の見通しでは売上高が前期比で11.1%増の42億500万円を見込み、EBITDAは17.7%増の22億200万円を見込んでいます。特に、国内のみでのEBITDAマージンは54.4%と非常に高い水準を示しており、同社の収益力の高さを示しています。

ASNOVAは今後の成長戦略として、以下の4つの方針を掲げています。まず、機材センターの拠点網を拡大することで、2027年3月期には57拠点の展開を目指しています。次に、新規顧客の獲得に注力し、過去最高の400社の新規契約を目指しています。さらには、2023年5月に立ち上げた仮設機材の総合サイト「ASNOVA市場」の本格稼働を進め、顧客のニーズに応えることを狙っています。そして、ベトナムに設立した子会社の基盤を強化し、将来的には足場レンタルシェアでトップに立つことを目指しています。

加えて、同社は「カセツ」の力で社会に新しい価値を生み出すことを掲げており、足場レンタルに関連する周辺事業への進出を視野に入れています。また、必要な領域への投資を行うことで、成長を続ける意向も持っています。

最終的に、ASNOVAは「足場といえばASNOVA」として認知される企業を目指し、社会インフラを支えるための重要なビジネスとして、足場レンタルの普及に注力しています。この取り組みにより、社会課題の解決を図るとともに、業界全体の活性化に寄与していく考えです。