品川区×学研ホールディングス共催防災セミナー開催
2024年11月9日、品川区と学研ホールディングスが共催した防災セミナー『レスキューナース直伝 大切な人を護るための防災のイロハ』が開催されました。約60名の品川区民が参加し、国際災害レスキューナースの辻直美氏による講演、質疑応答が行われました。セミナーは、会場とオンラインのハイブリッド形式で行われ、幅広い層の参加を可能にしました。
災害への備え、そして減災への意識向上
近年、日本各地で頻発する自然災害。首都圏では、首都直下地震の発生確率の高さが懸念されています。高齢化社会の進展に伴い、災害時における高齢者の避難の困難さも課題となっています。こうした背景から、日頃から災害への備えを強化し、減災への意識を高めることが重要視されています。
本セミナーは、学研ホールディングスと品川区が今年締結した包括連携協定の一環として開催されました。協定では、子育て支援、学習支援、金融教育に加え、防災対策についても連携強化することで合意されています。
レスキューナースが伝授する実践的な防災術
辻直美氏は、阪神淡路大震災や東日本大震災など、数々の災害現場を経験してきた国際災害レスキューナースです。長年の経験から得た知識と、実際に被災地で必要だった備えを惜しみなく参加者に伝えました。
講演では、防災グッズ(防災ボトル、防災ポーチ、ポータブル電源、災害トイレ、防災リュックなど)の有効的な活用方法や、家庭で簡単にできる転倒防止策、滑り止め対策といった実践的なテクニックが紹介されました。
さらに、能登半島地震の事例を元に、被災後の健康維持の重要性も強調されました。口腔ケアや排泄ケアの適切な方法が解説され、誤嚥性肺炎などのリスク軽減策について学ぶ機会となりました。
日常生活に溶け込む防災
セミナーでは、防災対策が特別な準備ではなく、日常生活の中に自然と取り入れることができることを強調しました。ペットボトルのキャップを使ったうがい方法、ペットボトルランタンの作り方、新聞紙を使った簡易な頭部保護方法など、参加者は楽しみながら防災の知識を習得しました。講演後には、防災グッズや減災対策に関する多くの質問が寄せられ、参加者の高い関心の高さが伺えました。
講師プロフィール:辻直美氏
辻直美氏は、国際災害レスキューナースとして29年間活躍し、国内外で多くの災害救援活動に従事してきました。看護師としての経験と災害現場での経験を活かし、大学や小中学校、企業など幅広い場所で防災に関する講演を行っています。近年は、企業向けの防災コンサルタントとしても活動の幅を広げています。
学研ホールディングスについて
学研ホールディングスは、1946年創業の教育・医療福祉関連事業を展開する持株会社です。教育分野では学習塾、学習教材、教科書などを手掛け、医療福祉分野では高齢者向け住宅や保育園などの事業を展開しています。グローバルに事業を展開しており、売上高は1,856億円(2024年9月期)に上ります。東京証券取引所プライム市場に上場しています。(証券コード:9470)
まとめ
今回の防災セミナーは、参加者にとって実践的な防災知識を得る貴重な機会となりました。災害への備えは、個人の努力だけでなく、地域社会全体で取り組むべき課題です。今回のセミナーが、地域住民の防災意識の向上、ひいては災害への備えの強化に繋がることを期待します。