「Sail AI」導入で進化する医療現場
熊本市に位置する国家公務員共済組合連合会 熊本中央病院では、AIトランスフォーメーションを促進するプラットフォーム「Sail AI」を導入し、既に様々な業務で効果を上げています。月間の利用回数は6300回を超え、職員の229人がこのシステムを活用しています。導入から半年で使用頻度は約9倍に増大しました。
この取り組みは、看護部門から始まり、現在では医師や事務部門など合わせて10の部署に広がり、AIによる業務が300件以上実施されています。このように、多様な部署でのAI活用は、熊本中央病院の業務を一新し、効率化を実現しています。
政府の取り組みと現場の評価
2026年に発表された「令和8年版厚生労働白書」では、テクノロジーを駆使した業務の効率化が求められています。白書は医療現場のAI導入状況に対し、「限られた人材での持続的なサービス提供のための業務効率化が必要」とし、音声入力やAI問診といった技術の現場活用が課題であると指摘しています。
熊本中央病院の事務部長、鳥飼達也氏は「患者へのケアの質を高めることを第一に考えています。Sail AIは使う人によって様々な形が生まれる道具であり、病棟では時間外労働が大幅に削減された」とその効果を強調しています。
Sail AIの実際の活用状況
現在、「Sail AI」を通じて行われている代表的なAI業務は以下のようになります:
- - 看護部門:病棟の経時記録や看護サマリの下書き作成
- - 医師:手術説明や診療情報の提供文書作成
- - 医事スタッフ:紹介状の要約、自動化された診療録のチェック
- - 地域医療連携室:退院支援に関わる記録作成
- - リハビリ・栄養部門:SOAP記録や栄養指導の記録作成
特に、AIを利用することで記録時間が業務時間内で進められるようになり、その結果、病棟での時間外労働は約70%減少しました。地域医療連携室でも、相談記録の自動化により、約30%の時間外労働が減少しています。これらのデータは、AIを取り入れることによる業務改良の一例に過ぎません。
現場主導型のAI業務創出
「Sail AI」は、現場の医療従事者が主体となり、業務に合わせたAIプログラムを自由に作成できる仕組みが特徴です。導入が進む中、医療従事者たちは自らの経験やニーズに基づいてシステムを最適化しており、効果的な利用方法が広がっています。
このように、熊本中央病院での「Sail AI」の導入は、医療現場においてAI活用の新たな可能性を切り開いています。今後もこの取り組みが多くの病院に広がることで、医療の質向上が期待されます。