猛暑による外出行動の変化を読み解く
株式会社電通と株式会社unerryが実施した調査によれば、気温の上昇が生活者の外出行動に影響を与えることが明らかになりました。特に猛暑日の基準となる35℃以上に達する前から、31℃程度で外出行動の変化が見られることが示されています。
調査の背景
昨今の気候変動による気温上昇は、猛暑日が全国的に増加していることが課題視されています。特に、2026年4月には気象庁が40℃以上の日を「酷暑日」と分類し、暑熱環境への対応の重要性が増しています。猛暑日には熱中症を避けるため、日中の外出を控えることが推奨されますが、実際に人々がどのように行動を変えるかは明らかでありませんでした。
そこで、2025年の6月から9月にかけて全国47都道府県から集められた行動データを用いて、外出行動の実態を分析しました。調査の目的は、企業や自治体が今後の対策を考える際の参考になるような知見を提供することです。
主な調査結果
外出行動は31℃前後から変化
調査によると、土曜日における外出率は、最高気温が31℃前後から減少し始めることが確認されました。これは特に土曜日に顕著であり、他の日とは異なるパターンを見せています。この傾向は、外出の自由度が高い土曜日に外出を控える傾向が強いことを示唆しています。
土曜日の夕方以降に外出がシフト
猛暑日の土曜日には、日中の外出が減少し、時間帯が夕方以降に移行することが明らかになりました。一方、平日や日曜日ではその傾向が見られるものの、限定的です。特に宮崎県、鳥取県、徳島県ではこの現象が強く現れています。
地域ごとの行動差
このような行動変化は地域によって異なり、外出が強く制限される地域や、制限されにくい地域がありました。特に公共交通が発展している都市では、自動車を中心とした都市に比べて外出の時間帯をシフトすることが難しい傾向が見られました。
今後の取り組み
この調査結果は、今後、企業や自治体が気候変動に対する対策を検討する際に重要な情報となるでしょう。特に、気温31℃前後から外出行動が変化することは、暑熱対策を講じる上で一つの基準となる可能性があります。また外出行動の地域差を理解することで、個別の対応策を講じることが求められています。
おわりに
気候変動の進行は私たちの生活にさまざまな影響を与えています。本調査は、実際の行動データを基にした分析を行い、外出行動の変化とそれに影響する要因を明らかにしました。今後は、消費行動や暮らし方に与える影響も分析することで、地域に根ざした暑熱対策の知見を創出していく予定です。これにより、生活者が安全で快適な環境で暮らす一助となることを期待しています。