アンリツが新たな一歩を踏み出す
アンリツ株式会社は、2025年4月、オーストリアに本社を置く計測器メーカーDEWETRON GmbHの全株式を取得することを決定しました。この動きは、電力計測やデータ収集の分野での技術力をさらに強化し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを加速させる狙いがあります。
DEWETRONの実力
DEWETRONは、電力を含むさまざまな物理量を高速で計測し、データ分析を行う専門の測定器を提供しています。特に自動車や航空宇宙、再生可能エネルギーの分野において高い精度を必要とされるシステムのニーズが高まっており、DEWETRONの技術は今後ますます重要になるでしょう。
巨額の資本が投入されるEV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)の普及を背景に、エネルギー効率を最大限に引き出すための高精度測定器が求められています。また、社会全体が省エネルギーを意識し、再生可能エネルギーへのシフトが進む中、DEWETRONの技術はその実現に寄与することでしょう。
アンリツの中期経営計画とシナジー効果
アンリツは、中期経営計画「GLP2026」の中で「EV/電池」の分野を重点的に開発します。この新たな取り組みとして、DEWETRONをグループに迎え入れることで、子会社である高砂製作所が保有する大容量電源や、充放電試験装置とのシナジー効果を高めます。
この協業により、カーボンニュートラル社会の実現に向けてさらに前進することが期待されます。例えば、従来の測定システムではアプローチが難しかった課題も、DEWETRONの計測技術をもとに解決できる可能性があります。
DEWETRON GmbHの基本データ
- - 社名: DEWETRON GmbH
- - 所在地: Parkring 4, 8074 Grambach, Austria
- - 代表者: CEO Christoph Wiedner
- - 設立日: 1989年8月18日
- - 資本金: €500,000
まとめ
DEWETRONの子会社化は、アンリツにとっては大きな戦略転換となります。電力計測技術やデータ収集ノウハウを一元化することにより、より高精度な製品提供が可能となり、各業界でのニーズに応えていける体制が整います。今後のアンリツの技術革新と市場での競争力強化にますます注目が集まることでしょう。