1型糖尿病患者のための障害年金リーフレットの意義
埼玉県さいたま市に本社を置く社会保険労務士法人ステラコンサルティングが、1型糖尿病患者向けに障害年金リーフレットの頒布を開始しました。2025年7月から提供が始まるこのリーフレットは、医療機関や各種相談機関を対象に作成されたものです。
このリーフレットの根底には、1型糖尿病に関する障害年金の受給制度の重要性とその認知度を上げる必要性があります。1型糖尿病は慢性的な疾患で、治療には継続的な通院や医療費がかかりますが、障害厚生年金の対象となる可能性があることはあまり知られていません。
1型糖尿病と障害年金
従来、1型糖尿病患者の障害年金の請求は、合併症により慢性腎不全や人工透析に至った場合が一般的でした。しかし、障害等級としては軽度の状態にも該当し得る3級が存在し、このリーフレットではその可能性についても言及しています。埼玉医科大学総合医療センターの大村卓士医師も、リーフレットを通じて制度の周知を促進する必要性を述べています。
当事者の視点からの情報提供
リーフレットの制作には、1型糖尿病患者である当社の社員社労士吉田まいが直接関与しています。彼女は8歳で1型糖尿病を発症し、現在も治療を続ける立場から、障害年金のさまざまな請求を手掛けています。これまでに100件以上もの請求実績があり、SNSやブログでも制度の啓発活動を行っています。
豊富な実績を基にした取り組み
ステラコンサルティングは、2010年の設立以来、障害年金請求に注力し、相談件数は1万件を超えています。この経験が、今後のリーフレットの活用につながっていくと考えられます。全国各地の医療機関や製薬関連企業との連携を進めながら、専門的な情報を提供していく方針です。
リーフレットの利用シーンと今後の展望
リーフレットは、1型糖尿病患者を診療する医療機関において、患者への配布が期待されています。また、障害年金の制度には保険者による審査があるため、主に初診日に厚生年金保険の被保険者であった患者が対象となります。
すでに全国の大学病院やクリニック、製薬会社、患者会から多くの問い合わせやリーフレット送付の依頼が寄せられています。これからも、より多くの当事者が制度を理解し、医療費の負担軽減につなげていくことが望まれます。
今後の支援体制の構築
さらに、ステラコンサルティングは障害福祉サービスによる包括的支援にも取り組んでおり、埼玉県内で就労継続支援B型や就労移行支援事業所を運営しています。障害年金の支給とともに、患者の生活全般をサポートする体制を整え、医療費の負担を軽減していくことを目指しています。
最後に、大村医師からの推薦文にもあるように、このリーフレットによって多くの人々が障害年金の受給制度を知り、医療的な補助制度の改善に寄与することが期待されます。今後も、1型糖尿病患者支援のための活動を続けていきます。