EduCareが目指す新しい教育ファイナンスの形
株式会社EduCare(エデュケア)は、約1.2億円の資金調達を成功させ、「学ぶ人のための、新しい金融機関」を掲げて活動しています。東京都中央区に本社を置くこのスタートアップは、2022年に設立され、教育に関するファイナンス領域に特化したサービスを提供しようとしています。
資金調達は、6月に行われた1st closeと11月に行われた2nd closeで完了しました。両ラウンドには、既存の投資家であるUT創業者の会投資事業有限責任組合や、グロービスG-STARTUPファンド、Iceblue Fund有限責任事業組合など多くのエンジェル投資家が参加しました。この結果、EduCareは累計で約2.5億円という資金を手にしました。
教育ファイナンスの社会的意義
現在、大学や高等専門学校に進学する学生の中で、約半数が奨学金などの支援を受けています。しかし、家庭の経済状況によっては、学びたい意欲があっても十分な支援が得られない場合があります。これは、教育を受ける上での大きな障壁となっています。
また、政府は「新しい資本主義」を目指し、成長戦略としてリスキリングや人的資本への投資を強化していますが、これに伴う教育費用の負担が大きくなることで、多くの社会人が学び直しを諦めざるを得ない現状があります。EduCareはこの課題を解決するため、「未来志向」の教育ファイナンスを提供し、家庭の経済状況や年齢に関わらず誰もが学べる機会を創出することを目指しています。
EduCareのビジョンと特徴
“Make Education Affordable(教育をより手軽に)”というビジョンを掲げるEduCareは、教育ローンや奨学金に特化した国内唯一の金融機関です。これは、学生や若手社会人へのファイナンス面でのサポートを提供することを目指しています。特に、リスキリングを希望する若者にとって、教育ローンは重要な選択肢となります。
また、「教育ROI™」という指標を開発し、学生が将来得られるリターンを定量的に評価することで、進学や就職の判断材料を提供しています。これにより、学生にとっての経済的観点からの意思決定を強化し、金融機関にとってはより新しいファイナンスサービスの提供を可能にすることを狙っています。
資金使途と今後の展開
今回調達した資金は、教育ROI™データベースの開発や社会人向けのリスキリングローンの事業開発に充てられます。これにより、来年から本格的なサービスの提供を開始し、より多くの人々が教育にアクセスできる環境を整えていく予定です。
EduCareの成長は、教育ファイナンスの分野に新たな道を切り開く可能性を秘めています。今後の展開に期待が寄せられる中、同社が目指す「学ぶ人のための新しい金融機関」としての役割がますます重要になるでしょう。
まとめ
最後に、EduCareが提供する新しい教育ファイナンスの形は、学ぶ意欲や能力のある人々にとっての大きな支援となるでしょう。未だ多くの社会課題が残されていますが、EduCareの取り組みはその解決への一助となることを期待しています。