保育者の心理分析
2021-02-10 09:30:01

保育者の心理状態に変化、世代による格差が明らかに

保育者の心理状態に変化、世代間の格差が浮き彫りに



コロナウイルス感染症の拡大は、保育者の心理状態に大きな影響を及ぼしています。特に、保育業界において中堅層とベテラン層の心理的変化には明確な違いが見られます。この調査は、保育事業者の管理職及び経営者の多い50代から60代が示すパワーダウン傾向と、実務のリーダーとして活動する30代から40代の柔軟性の高い行動力を浮き彫りにします。

調査背景



保育者はこの2年余りの間、エッセンシャルワーカーとしても変化を余儀なくされ、緊急時にもその役割を果たし続けています。また、これまで縁遠かったオンライン対応を求められるなど、これまでの保育業務のあり方が大きく変わりました。この状況下での保育者の心理や状態の変化を理解するために、関連データの比較分析が行われました。

調査概要



保育業務に関与する職員を対象に、「せんせいエゴグラム診断」を実施しました。この診断では、2019年と2020年から2021年のデータを比較し、各年代における心理的傾向の変化を明確にしました。結果として、各年齢層での心理的要素には顕著な差がありました。

ここで特に注目すべきは、20代ではあまり変化は見られない一方で、30代と40代では「受容度」と「自由度」が向上しています。これにより、彼らは状況を受け入れながら積極的に行動する姿勢が見受けられました。不安定な時代においても、柔軟に変化する力を持っているようです。

世代による変化



一方で、50代と60代のベテラン層では「厳格度」が低下し「協調度」が上昇する傾向が見られました。これは、従来の価値観や判断基準が揺らぎ、周囲を気にしながら慎重に行動する姿勢の現れかもしれません。この心理的変化の背景には、コロナ禍によるストレスや不安、およびオンライン化への対応があると考えられます。

調査結果の考察



さらに、調査参加者へのインタビューを通じて、保育業界の現状についても意見を集めました。ある保育園の園長は、オンライン対応を拒んでいる人が多いと語り、また、ベテラン層は家庭の事情からコロナの影響について高い緊張感を持っているとの指摘もありました。他にも、教育環境の変化に順応しきれない部分があり、保育者たちが不安や疲労感を抱える要因となっていることが分かりました。

保育者の「働きがいポイント」



また、調査の一環として、保育者が「働きがい」を感じるポイントに関するデータも収集されました。その結果、「公私のバランス」「余裕のあるライフスタイル」「良好な人間関係」などが上位に挙げられました。これは、快適な仕事環境においては心の余裕が不可欠であることを示しています。

まとめ



この調査結果は、コロナ禍の中で保育者の心理状態にどのような変化が起きているのかを的確に示しています。世代間での違いが浮き彫りになる中、今後の保育者支援や環境整備に向けた示唆が得られることを期待します。保育者の心理的な健康が、健全な保育環境を作るためには先決です。これまでの調査や支援活動を通じて、一層のサポートが求められています。

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