相続登記義務化から1年、認知度は未経験者で約3割に留まる

相続登記義務化から1年：認知度と制度に対する意識

2024年4月から施行された相続登記の義務化がもたらす影響についての調査結果が株式会社すむたすによって発表されました。この調査は、義務化から約1年が経過した現在、相続に関する認知度や制度の理解を深めることを目的として実施されました。

調査背景

すむたすは、団塊の世代が2025年に後期高齢者に突入する「大相続時代」を迎えるにあたり、相続登記の申請義務化が導入されたことから、相続に関する問題がますます重要になると考え、調査を実施しました。特に、相続登記は未経験者にとって依然として難しいハードルとなっており、認知度向上が求められています。

調査結果概要

調査はインターネット上で行われ、50歳から89歳の男女223名を対象に実施されました。ここで注目されたのは、相続経験の有無による認知度の違いです。

1. 相続登記義務化の認知度：相続未経験者では29.7％、経験者では67.9％と、未経験者の認知度が明らかに低いことがわかりました。
2. 登記期限の感覚：相続経験者の30.4％が「3年」という期間を「短い」と答えています。未経験者も19.8％が同様の感想を持っていました。
3. 制度違反の科料：10万円の科料については、全体の45.3％が「高い」と感じ、相続経験者ではその割合がやや低下しました。
4. 実際の手続き時間：登記を経験した人の71.4％が、期限内に手続きを終えているものの、3年以上かかった人も一定数存在しました。
5. 物件処分の状況：登記後に物件を売却したのは38.4％に達し、引き渡しまでに1年以上の時間がかかる場合も多いようです。