愛知大学が革新する語学教育
愛知大学と株式会社DOUが手掛ける新たな教育モデルが、教育現場での注目を集めています。この取り組みは、同大学の三川克俊教授が担当する「Advanced Reading」授業にAI講師を導入するもので、従来のインプット中心から、学生の「話す」力を引き出すことに重きを置いています。
AI講師の導入背景
多くの大学で見られる課題として、英語のリーディングやリスニングの授業がインプットに偏りがちであることが挙げられます。学生が新しい単語や表現を学んでも、それを話す機会が限られており、教員にとっては生徒全員にアウトプットを促すことが難しいのが現実です。三川教授は、DOUのAI講師を導入することで、知識を定着させ、実際に英語で話す力を養う新たなサイクルを創り出しました。
AI講師の仕組み
このAI講師は、ChatGPTを基にした大規模言語モデルが、学生の学習履歴と結びついています。授業中に学生が「読めなかった単語」や「関心を持った記事」を記録することで、AIがそれらを学習し、個別の対話セッションを展開します。教材となるのは、進行中の授業と連動した内容で、学生一人ひとりに合わせたトピックが用意されており、単なるチャットボットを超えた学習パートナーとして機能します。
実証実験の成果
3ヶ月間の実証実験でのヒアリングでは、AI講師との対話が生徒に与えた効果が明らかとなりました。以下のような成果が報告されています。
1. 語彙定着の向上
AI講師との対話を通じた「単語の使用」が、従来の暗記学習よりも効果的であると多くの学生が実感しました。授業で学んだ単語を即座に使用するサイクルが定着率を高めていることが確認されました。
2. 心理的安全性の向上
学生たちからは、「AI相手なら失敗を恐れず話せる」という声が多く、自己肯定感が高まった結果、話す勇気が醸成されていると感じています。これは、他者と対話することによる緊張感とは異なる安心感をAIが提供しているからです。
3. 自律学習への促進
自分が選んだニュース記事を題材にAIと話すことで、学生の間に自発的な情報収集の意欲が芽生えています。受動的な学習から、知的好奇心に基づくアクティブな探究心が生まれました。
三川教授の見解
三川教授は、これまでの授業方法にAIを組み合わせることで、学生が日々の学習に取り組む姿勢が大きく変わったと語ります。教室内での学生の発言に対する遠慮は、AI講師によって軽減され、個別の質問にも時間を気にせず対応できるようになり、教員の負担も軽くなるはずです。
今後の展望
実証実験の結果を踏まえ、DOUでは更なるシステム改善に取り組むと同時に、定量的な成果検証も進めていきます。今後も、学生の学びを支える新しい語学教育モデルを構築し、教育機関のニーズに応えていく方針です。また、教育機関向けにAI講師を活用したウェビナーも開催し、多くの教育関係者にこの新しい取り組みを知ってもらう機会を提供します。
このように、愛知大学とDOUの協力によるAI講師の導入は、語学教育における新たなアプローチを提示しており、学生の学びを豊かなものとするために大きな一歩を踏み出しました。