SNSマーケティング勉強会に見る新たな広告手法
2023年、東京都品川区で開催された「第14回ひよこの会」では、広告業界のプロフェッショナルが集まりました。このイベントは一般社団法人日本EC協会が主催し、オンラインとオフライン広告に関わるさまざまなテーマが取り上げられました。特に、SNSマーケティングについては、株式会社EMOLVAの代表取締役である榊󠄀原清一氏が登壇し、その実践的知識を共有しました。
勉強会の概要と目的
「ひよこの会」は広告に特化した勉強会で、各分野の専門家が集まります。主なテーマには、ダイレクトマーケティングや検索広告、SNSマーケティングなどが含まれており、特にD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)やO2O(オンラインからオフライン)広告に焦点が当てられました。ここでは、各業界の専門家から具体的な事例やノウハウが紹介され、参加者が新たな知識を得る機会が提供されました。
SNSの重要性と新しいメディア環境
榊󠄀原清一氏の講演では、まず従来のマスメディアからSNSに至るメディアの進化について言及がありました。従来の一方向型の情報発信から、双方向でコミュニケーションを行うSNSの時代に突入した今、企業が生活者と関係を築くうえでSNSの活用が不可欠であることが強調されました。
また、現代のSNSは「流行を追う道具」に留まらず、企業にとってのブランディングや信頼構築に欠かせない存在となっています。適切に活用すれば、自社の資産となり得る可能性を秘めています。
効果的なSNS戦略の実践
各社がSNSを運用する際には、まず「何のためにSNSを利用するのか」という目的を明確にすることが重要です。榊󠄀原氏は、認知拡大や販売促進、コミュニティ形成、あるいは採用活動など、様々な目的が考えられることを提示しました。目的が曖昧だと成果が薄くなりがちです。
では、どのプラットフォームを選ぶべきでしょうか。SNS各々の特性とユーザー層を考慮しながら、目的やターゲットに合わせてプラットフォームの選定をすることが求められます。特に「誰に・何を・どのように届けたいのか」を明確にすることが、成功の鍵となります。
SNSマーケティングの多様化
現在、流行しているSNSはTikTok、YouTube、Instagram、X(旧Twitter)、LINE、Facebookなど多岐にわたります。各プラットフォームでは、インフルエンサーマーケティングやUGC(ユーザー生成コンテンツ)の施策、運用代行、タレント起用など、最大24通りの戦略が実行可能です。
このように多様な選択肢がある今、どのSNSで、誰に向けて情報を届けるかが非常に重要です。また、広告に敏感なユーザーのニーズを満たすためには、共感や信頼を築くことが必要です。SNSは単なる告知の場ではなく、企業の人格を示す重要なプラットフォームへと進化しているのです。
榊󠄀原清一氏のプロフィール
榊󠄀原清一氏は静岡県浜松市出身で、東京理科大学に入学。材料力学の分野でWebを活用する研究を進めた後、2009年にはサイバーエージェントに入社し、ソーシャルゲームのWebアナリストとして経験を積みました。その後、SNSマーケティング専門の株式会社EMOLVAを設立し、数多くの企業にサービスを提供しています。
彼の会社は500社以上の顧客を持ち、SNSを通じて1.2万人以上の応募者を集めた実績があります。また、インフルエンサーとの提携にも注力し、多様なマーケティング戦略を展開しています。彼の取り組みは、改めてSNSが持つ力や可能性を実感させてくれます。
終わりに
「第14回ひよこの会」では、SNSマーケティングの最新情報を得る貴重な機会が提供されました。榊󠄀原氏による実践的な知識は、今後の広告戦略に新たな視点を与えてくれたことでしょう。今後もこうした勉強会を通じて、広告業界の知識を深めていくことが求められています。