中野いずみ 写真展 「Father」
アイデムが運営するフォトギャラリー「シリウス」では、2025年1月16日から28日まで、中野いずみの写真展「Father」が開催されます。この展覧会では、彼女自身の父親との深い絆をテーマにした作品が40点展示され、父の老いとその影響が強く反映されています。
中野いずみは、2011年に両親と再び同居することになった頃の思い出を語ります。父は当時73歳で、金型エンジニアとして活躍し続けているごく普通の男性でした。家族との時間を大切にし、孫たちと遊んだり、得意の肉じゃがを振る舞ったりする姿は、明るく元気そのものでした。しかし、時が経つにつれ、彼女の父は徐々に弱っていきました。
「忘れちゃったんだよ…」とぼやく父の言葉に、どのように返答すれば良いのか分からず、彼女の心は徐々に影を落としていきます。日常生活が続く中で、父が作ることを楽しんでいた肉じゃがも、次第に食卓から姿を消してしまいました。この変化を受け入れることは容易ではありませんでした。
家族にとって父はただの家族ではなく、彼らの人生や価値観を築いた大黒柱です。中野は、実際に父の話を聴く中で、失われた記憶や、家族としてどう寄り添っていくのかを模索していました。父が愛した柿の木の下でのひとときや、庭いっぱいに広がる色とりどりの植物と共に過ごした日々も、彼女の記憶の中で鮮やかに蘇ります。
2024年には91歳の誕生日を迎えた父は、家族に囲まれての温かい祝福の中で色々なことを楽しみますが、その数日後、突然の入院を余儀なくされます。体調を崩した父は、そのまま老衰でこの世を去ってしまいました。思い出として心に刻むのは、「すごい人だった」という深い感謝の念です。家族を支え続け、最後まで尊厳を持って生きた父の姿は、彼女の中で永遠の宝物として息づいています。
初めての秋は寂しさを伴い、柿の木は実を結ぶことができませんでしたが、その中でも父との時間や記憶は、中野いずみにとって大切なものであることに変わりありません。展示される写真は、そうした深い思いを込めた作品で、観覧者に温かい共鳴をもたらすことでしょう。
この写真展に関する詳細は、アイデムフォトギャラリー「シリウス」のブログやFacebookページでも随時公開される予定です。親子の絆や、時間の流れの中にある家族愛を、ぜひとも感じていただきたい展示会です。
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シリウス