NEC通信システムの新製品、3D測量支援ソフトウェア
NEC通信システムが新たに販売を開始した「NEC 3次元測量支援ソフトウェアバージョン2」は、電力と鉄道業界における設備点検業務を革新します。多くの企業が高齢化による作業員不足と、安全対策に苦しむ中、このソフトウェアは特に重要です。
背景
電力業界では、電線や電柱の定期点検が不可欠ですが、作業員の高齢化により人手不足が深刻化しています。さらに、高所での作業は安全が最優先となるため、高所作業車を使うことが求められています。一方、鉄道業界でも同じく電化柱やトロリ線の点検が行われていますが、こうした業務では効率化と安全確保が課題となっています。
この新ソフトウェアでは、3Dセンサーによって収集されたデータをもとに、離れた位置から電柱や電線の点検を行うことができます。この離隔計測技術により、作業員は地上から安全に計測を行え、より効率的な点検作業が可能とされています。
新バージョンの特長
1. ユーザインターフェースの強化
新バージョンでは、点検作業時に得られた計測結果に対してメモを付けることが可能になり、これによりどの点検項目に関する結果かが一目でわかります。また、各項目ごとに色分けが可能で、視覚的に分類しやすくなりました。これにより、計測結果の管理が容易になり、点検業務の効率向上が期待できます。たとえば、特定の項目を赤文字で表示することで、急を要する確認が一目でわかります。
2. 新たな3Dセンサーへの対応
新バージョンでは、Livox社の新型センサー「HAP」と「Mid-360」への対応が追加されました。これにより、広範囲を一度の撮影でカバーできるため、撮影回数を減らし、作業時間を短縮できるようになります。新センサーの導入により、点検作業の高精度化と効率化が実現します。
3. GPS情報による結果記録
新たにGPS情報を使用した計測結果の記録機能も追加されました。タブレットを使うことで、撮影地点のGPS情報を記録し、これが地図アプリとも連携ができるようになります。この機能により、点検地点が簡単に地図上で把握できるため、データ管理がさらに便利になります。
販売情報
「NEC 3次元測量支援ソフトウェアバージョン2」の販売価格は120万円(税別)で、機材や導入費は含まれていません。出荷は2025年7月15日から開始され、販売目標は2年間で100セットです。
安全で効率的な点検業務を実現する革新的なこのソフトウェアは、業界に大きな変革をもたらすでしょう。