鳥取・田中農場の新米、早期情報開示と新体制の取り組み
鳥取県八頭町に位置する田中農場が令和7年度産の新米について、早期の情報開示を行いました。昨年の猛暑による品質低下や在庫切れなど、多くのお客様にご迷惑をおかけした反省を踏まえ、新たな体制を整えての取り組みです。
昨年度の苦い経験
昨年度は異常な高温が影響し、令和6年度産の新米の収量が減少しました。このため、インターネット販売を中心とする個人への供給が3月末に停止され、法人のお客様にも大きな影響が及ぶ事態となりました。これにより、当農場は見通しの甘さや生産・販売体制の未熟さを痛感し、深く反省しています。お客様へのお詫びも含め、今年度は異なるアプローチを試みることに決めました。
異常気象を乗り越える新たな計画
今年は昨年を教訓に、作付面積を13%増の108ヘクタールに拡大し、過去最高の収穫を目指そうとしています。それに伴い、人員体制は維持しつつも、個々の生産性を高めることに挑戦。田植えを通常より1ヶ月早く行い、今年の新米は例年10月の出荷を9月に前倒しして開始する予定です。さらに、個人向けには初めて「定期便制度」を導入し、安定した米の管理と精米作業を目指します。
情報開示の理由
昨年の混乱を受けて、今年は「今年は買えますか?」や「価格はいくらですか?」といった多くの問い合わせが寄せられています。このため、田中農場では主力品種の「コシヒカリ」について、早めに出荷時期や価格をお知らせすることにしました。
新米コシヒカリの価格
令和7年度産のコシヒカリの価格は、10kgで10,908円(税込)になります。昨年の価格から約60%の値上げとなりましたが、これは肥料や資材、燃料などの生産コストの上昇、異常気象への対策費用、精米などの労務費の増加が背景にあります。田中農場では可能な限り品質を保ちながら、安心して食卓に届けるお米を生産し続ける決意を示しています。
新たな販売形式
加えて、これまで法人向けに販売していた30kgの業務用米を、一部個人のお客様にも提供することを決定しました。この形態では通常小売価格より約30%お得に提供し、精米や小分けを行っていただくことになります。しかし、選別作業が簡易に行われるため、小石や稲わらが混入する可能性がありますので、その点を理解してご購入いただければ幸いです。
今後の見通し
現在、田植えが最盛期を迎える中、収穫までの過程で農場全体が改善と挑戦を続けています。個人のお客様向けには、10月からお届け予定で、5月12日より早期予約も受け付け開始しました。田中農場は、今後も新たな情報を随時公開し、皆様の食卓に質の高い新米を届けるために努めて参ります。
このように、田中農場は環境への配慮と持続可能な経営も視野に入れながら、品質の向上に努めています。これからもよろしくお願いします。