パレスチナの人道危機、330万人が支援を必要とする現状

パレスチナの人道危機とユニセフの取り組み

2025年6月4日、東京とアンマンからの情報によると、国連児童基金（ユニセフ）はパレスチナのガザ地区およびヨルダン川西岸地区における人道危機についての最新レポートを発表しました。この地域では、330万人が人道支援を必要とし、その中には170万人もの子どもたちが含まれています。

ガザ地区の状況は非常に厳しく、住民の約90％に当たる190万人が避難を余儀なくされています。更に、学校の95.4％に及ぶ538校が損傷を受けていることから、教育の機会も失われつつあります。

長期化する戦闘や、支援物資の供給が途絶えた影響で、210万人の住民全員が急性食料不安に直面しています。その中で、5人に1人に当たる47万人が「飢きん」の危機に直面しています。

加えて、2023年10月の戦闘再開以降、5万2,418人のパレスチナ人が命を失い、1万6,278人が子どもという衝撃的な数字が報告されています。さらに、3万4,000人以上の子どもを含む11万8,000人が負傷したとのことです。これらの実態は、多くの家族の生活を根本から脅かしています。

また、ヨルダン川西岸地区では「鉄の壁」作戦が進行中で、これまでに4万人のパレスチナ人が未だに家を追われています。これに対抗して、ユニセフはパートナーと共に取り組みを進めています。4月には、ガザ地区の1万126世帯、約6万7,249人に現金給付を行い、その約40％が子どもたちです。

また、生後6〜23ヶ月の子どもたちに対しても、1万3,481人に補完食を提供しました。このような取り組みは、経済的な支援だけでなく、栄養状態の改善にも繋がっていくことが期待されています。

とはいえ、人道支援のニーズはますます高まる一方です。ユニセフは2025年の活動に向けて、7億1,650万米ドルの資金を国際社会から要請していますが、現在5億3,360万米ドルが不足しています。この資金不足は、今後の活動に大きな影響を及ぼすでしょう。

最新の情勢レポートの詳細については、ユニセフの公式サイトで確認できます。パレスチナの子どもたちが今すぐ支援を必要としています。私たち一人ひとりができることは何か、考えさせられる重要な問題です。