弁護士ドットコムが誹謗中傷を防ぐAIツールを無料提供開始

弁護士ドットコム、誹謗中傷対策の新ツールを発表

2023年7月4日、弁護士ドットコム株式会社は、誹謗中傷や炎上を未然に防ぐためのリスクチェックツール『AI炎上チェッカー』の提供を開始することを発表しました。このアプリは、インターネットやSNS上での投稿が日常化する中、発信者が無意識のうちに発信した内容がどのようなリスクを持つかをAI技術を用いて分析するものです。

無料提供の理由

弁護士ドットコムは、『AI炎上チェッカー』を無料で提供する背景についても説明しています。多くの企業、行政機関、政治家、インフルエンサーから、特にリスクチェックが必要だという意見を多数受けたことがきっかけです。短期間で多くの反響があったことから、同社はより多くの人にこのツールを使ってもらうことにしました。

「自分では問題ないと思っても、見落としが炎上の原因になるのではないかという不安がある」という声が寄せられ、発信前のリスクチェックが必要だと認識されていることが背景にあります。

『AI炎上チェッカー』の特徴

『AI炎上チェッカー』は、投稿内容を「攻撃性」「差別性」「誤解を招く表現」の3つの観点から評価します。AIによる分析を通じて、発信内容が持つリスクを視覚化し、投稿者に対して適切なアドバイスを行う仕組みです。

このツールの主な目的は、「発信を制限する」ことではなく、「良い発信のための選択肢を提供する」ことにあります。そのため、より良いコミュニケーションができるよう、多種多様な価値観に配慮した設計がされています。

また、アプリは多様なSNSとシームレスに連携し、リスクをクリアした文章をそのままSNSに投稿することも可能になります。

さらなる改善への意欲

弁護士ドットコムは『AI炎上チェッカー』の提供後もデータを収集し、ユーザーからのフィードバックを基にツールの改善を進めていく考えです。特に、今後はよりプロアクティブな炎上防止策を盛り込んだ機能の追加を検討しています。

開発者のコメント

同社のCXO深津貴之氏は、インターネットやSNSでの炎上は、テック業界全体で取り組むべき重要な課題であると強調しています。彼は、弁護士ドットコムの持つリーガル分野の知識と、弁護士との密接なネットワークを活用して、包括的な炎上防止策を構築していく意向を示しています。

「今回のツールは、投稿者を炎上から守るための第一歩です」と彼は述べ、ユーザーの意見を取り入れながら、将来的にはより包括的な製品へと進化させていくことを目指しています。