狂言の魅力が再び川崎に甦る
日本の伝統文化に深く根ざす狂言。その魅力を一層感じられる『第17回狂言全集』の上演が、2025年10月25日(土)に神奈川県の川崎能楽堂で開催されます。このイベントは、公益財団法人川崎市文化財団が主催し、人間国宝である山本東次郎氏が出演することでも注目を集めています。
狂言とは?
狂言は、14世紀に始まった日本の伝統芸能で、滑稽な人物や出来事を描くことで、人間の愚かさや悲しさを笑いに変える表現が特徴です。この古典芸能は、今も多くの人々に親しまれ、特に「狂言全集」として定期的に上演されることで、次世代に継承されています。
演目紹介
【萩大名】
本公演での主要な演目の一つが「萩大名」です。郷土を留守にし、都で長い間訴訟を抱える大名が気晴らしに庭を訪れ、太郎冠者に助けられる様子を描いています。その中で、太郎冠者が準備した和歌を覚えられず、思わぬハプニングが次々と訪れます。この軽妙なやり取りは、観客を笑いの渦に巻き込みます。
【右近左近】
次に上演される「右近左近」では、豊作を喜ぶ農夫の右近が、隣人の左近に牛を損なわれ、訴訟を起こそうとする様子が描かれます。巧妙な言い回しや機転が求められるこの物語では、日常生活に潜む人間模様が面白おかしく展開されるのが魅力です。
【禰宜山伏】
最後の演目「禰宜山伏」では、資金援助を求めて回る禰宜が、茶屋で出会った山伏とのやり取りを通じて描かれます。威圧的な山伏が禰宜に無理難題をふっかける様子は、観客の笑いを誘います。まさに、狂言が持つ『おかしみ』と『人間の愚かさ』が見事に融合したストーリーが展開されます。
特別なトークセッション
上演後には、山本東次郎社によるトークセッションも予定されています。このセッションでは、狂言の背景や演じることの喜び、さらには人間国宝としての経験を語る貴重な機会です。狂言に初めて触れる方でも楽しめる内容となっており、各演目について深く理解する助けとなるでしょう。
チケット情報
チケット料金は正面席が3,500円、脇正面・中正面席が3,000円(全席指定・税込み)です。購入は、カンフェティの公式サイトから可能です。観客の皆様には、狂言の奥深さや面白さを体感していただくことができるこのイベントは、文化活動を支える一環でもあります。
おわりに
『第17回狂言全集』は、演者の技術や深い洞察によって、人の本質を笑いの中に描き続ける狂言の魅力を再確認させてくれる絶好の機会です。伝統芸能が息づく場所で、皆さんの参加を心よりお待ちしています。狂言がもたらす新たな発見と感動を味わいに、ぜひご来場ください。