橋本組が挑む建設業の未来ーーステップアップセミナー2025
2025年8月29日、静岡県藤枝市にて、地域の建設業の進化を見据えた「ステップアップセミナー2025」が開催されました。このイベントは、株式会社橋本組が主催し、協力会社である「橋友会」のメンバーも参加。28回目を迎えたこのセミナーは、減少する地方建設需要や業界全体の人材不足という課題に直面する中で、未来を共に描く重要な場となりました。
BIMによる業界変革
セミナーの第一部では、建設業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の先駆者、株式会社SEEZの代表取締役である大槻成弘氏が「Construction Transformation~DX時代の建設業をリードする挑戦~」というテーマで講演しました。特にBIM(Building Information Modeling)の重要性を強調し、欧州やシンガポールでは公共工事へのBIM導入が必須となっている現状と、日本ではまだ一部にしか導入されていないことを指摘しました。
大槻氏は、地域建設業も生産性向上のためにはBIM活用が不可欠であると訴えました。この先進的な手法により、手戻りの減少、コストの削減、工期の短縮、そして品質向上が見込めることを説明しました。
「はしもとブランド」とその哲学
続いて、橋本組の代表取締役社長、橋本真典氏が「はしもとブランドの創出」というテーマで講演しました。静岡県内での仕事の減少を背景に、「仕事がある場所に自ら出向き、その利益を皆で分かち合う」姿勢を強調しました。
橋本社長は、品質・コスト・納期・安全・環境(QCDSE)の理解を深め、「ブランド力を高めることで、受注につながる」と説明。協力会社との強固な連携をもって、はしもとブランドを築く重要性に言及しました。
さらに、コンプライアンスの重要性も繰り返し強調。特に大阪万博関連の未払い事例を引き合いに出し、商習慣に対する強い信念を表明しました。
「信頼関係を軽視するような商習慣を踏襲することはない」と言明し、橋本組がコンプライアンス遵守に特に厳しい企業であることを強調。この信頼を基盤にしたブランド価値の向上が、地域社会との共生に繋がるとしています。
共に未来を描く懇親会
セミナー終了後には懇親会が開かれ、協力会社間での交流が深まりました。この場は信頼を再確認し、連携を強化する重要な機会となりました。橋本組が地域に根差しながら世界基準の技術と倫理を取り入れ、協力企業と共に業界の変革に挑戦する姿勢が鮮明に示された瞬間でした。
最後に
BIMとは、単に建物を三次元モデルで設計するだけではなく、工程やコスト、維持管理のデータを一元的に管理するシステムです。これにより、設計段階でのミスや手戻りのリスクを減少させ、全体の効率を向上させることが可能となります。
現在、欧州やシンガポールではBIMの導入が義務化されており、その流れは日本にも求められていると同時に、共創による新たなモデルの構築が急務とされます。今後も橋本組の取り組みから目が離せません。