一橋大学とJR東日本の取り組み
一橋大学(東京都国立市)は、JR東日本との共同で、新たな寄附講義「オープンイノベーション戦略とウェルビーイング」を2025年4月に開設します。この講義は、商学部および大学院経営管理研究科で行われ、ウェルビーイング経営を新たな研究領域として位置づけ、企業経営の多様性や生産性を向上させることを目指しています。
ウェルビーイング経営の重要性
現代の企業は、収益だけでなく、社員のウェルビーイング(心身の充実状態)も重視する必要があります。この講義では、企業がどのようにして社員を活かし、彼らの成長を推進することで企業全体の成長につながるかを学びます。近年では、こうしたウェルビーイングを取り入れた経営戦略がますます重要になってきており、その必要性を感じている経営者は多いでしょう。
講義内容と期間
寄附講義は2025年4月から2028年3月までの3年間にわたり提供され、担当教員は特任教授の入江洋氏です。講義では、以下のようなテーマが扱われます:
- - オープンイノベーション戦略の実践
- - 経営戦略全般とウェルビーイングの連関
- - ウェルビーイングを通じた企業価値の向上に必要な要件や事例
先進的な教育の狙い
一橋大学商学部の松井剛教授は、この講義が持つ意義について語りました。「包摂的かつ持続可能な経済成長を推進するため、現代のリーダーにはウェルビーイング経営の視点が欠かせません。この寄附講義を通じて、深い洞察と人間性を兼ね備えたリーダーの育成を目指します」と述べています。
一方で、JR東日本の西村佳久執行役員は、企業活動におけるESG(環境・社会・ガバナンス)経営の重要性に触れ、「ウェルビーイングな社会の実現には社会課題の解決が欠かせません。次世代のリーダーに必要な視点を当講義を通じて育成したい」とコメントしています。
新たな価値創造の道
この講義では、JR東日本が推進する「WaaS共創コンソーシアム」を基にしたオープンイノベーションの実践事例が紹介されます。具体的には、移動と空間価値の向上を目指す活動がどのように企業のウェルビーイングに寄与するのかを探ります。このような学びを通じて、受講生は企業経営における新たな価値を創造するためのスキルを身につけることができるでしょう。
一橋大学とJR東日本のコラボレーションがもたらす教育的な影響は計り知れません。企業が求める人材像と教育の最前線が融合するこの取り組みに、期待が集まっています。受講生にとっても、自身の成長を促進する貴重な機会となるでしょう。