石巻赤十字病院が医療機器の一元管理システムを導入
宮城県石巻市に位置する石巻赤十字病院は、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社が提供する「IT Expert Services IoMTデバイスマネジメントサービス」を導入しました。このサービスは、院内にある医療機器やIT機器の状況を一目で把握できるため、効率的な運用と安全性の向上が期待されています。
医療機器の管理が求められる背景
近年、医療機器がネットワークに接続されることが増えており、その一環としてインターネットに繋がった医療機器、いわゆるIoMT(Internet of Medical Things)の普及が急速に進んでいます。しかし、この動向に伴い、医療機関をターゲットにしたサイバー攻撃も増加しています。診療システムが一時的に止まる事例も報告されており、医療現場のセキュリティ対策の強化が急務です。
厚生労働省は2023年に医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを策定し、医療機関に対してセキュリティ対策の強化を求めていますが、スタッフ不足や管理のサイロ化が問題となり、多くの病院ではIT機器の一元管理が行き届いていないのが現状です。
導入の決め手
石巻赤十字病院は、多数のPCやサーバー、さらに超音波診断装置や心電図、内視鏡といった様々な医療機器がネットワークにつながっています。しかし、これらを手作業で把握するには膨大な工数が必要で、全体像の把握が困難でした。そのため、効率的に医療機器を管理し、セキュリティを強化するために、IoMTの状況を一元的に把握する仕組みが求められていました。
「IT Expert Services IoMTデバイスマネジメントサービス」は、各機器の稼働状況を自動的に監視し、詳細情報や脆弱性を可視化する機能を持ち、直感的な操作が可能なため、医療機関の現場でも導入が容易です。
導入後の効果
サービスを導入した結果、院内の数千台に及ぶIoMTとIT機器が自動で可視化され、以前は把握されていなかった機器の管理体制が整備されました。各機器のセキュリティリスクは、OSやファームウェアのバージョン、既知の脆弱性情報などを基に数値化されるため、リスクの高い機器を特定して迅速に対策を講じることができるようになりました。
さらに、IoMTの稼働状況の可視化により、検査が集中している機器や使用頻度が低い機器が明らかになり、機器の更新や使用状況の見直しに資する情報となっています。これにより、医師や看護師の効率的な働き方の実現も期待されます。
機器管理の意識向上
石巻赤十字病院の情報マネジメント課長、千葉美洋氏は、「本サービスにより、IT機器の情報が分かりやすくなり、各部門との連携が図れるようになった。リスク対策への意識も高まり、医療機関全体でセキュリティ意識を強化していきたい」と述べています。
まとめ
富士フイルムビジネスイノベーションは、このようなサービスを通じ、医療機関のセキュリティ対策を支援し続けています。今後も、より多くの機関において、安心・安全な医療環境の確立が進むことが期待されます。
詳細は
こちらをご覧ください。