サニックスグループ、グリストラップ汚泥からのジェット燃料製造に挑戦!
株式会社サニックスホールディングスと同グループの子会社である株式会社サニックス資源開発グループが、グリストラップにたまった汚泥を資源として活用する新しいプロジェクトに着手しました。この取り組みは、環境省の支援を受け、再生可能なジェット燃料の製造を目的としています。
プロジェクト概要
本プロジェクトは、環境省が推進する「令和7年度脱炭素型循環経済システム構築促進事業」内の一環として採択されました。実証期間は2年間にわたり、サニックスグループが開発した「再生油Bio」を用いて、高品質な航空燃料(SAF)の原料を効率的に生成します。
さらに、SAFの生産過程で発生した残渣の再利用にも力を入れており、これを液体燃料や固形燃料として変換し、重油や石炭の代替品として活用することを計画しています。この取り組みによって、航空業界全体が掲げるSAFの目標達成への道筋を後押しするだけでなく、環境負荷の低減にも寄与します。
SAFの重要性と目標
日本国内外において、ジェット燃料の持続可能な供給が急務となっています。経済産業省が発表する資料によると、2030年までに国内エアラインの燃料使用量の10%をSAFに置き換えることがなければ、持続可能な航空業界の実現は遠のくと言われています。
ですが、SAFの原料として有望な廃食用油は現在、不足しており、その価格も高騰しています。このような中、産業廃棄物を利用した新たな製造法の確立は、業界全体の供給問題を解決するための一助となることでしょう。
再生油Bioの特性
「再生油Bio」は、食品工場や飲食店などから発生する不要な油を原料にして作られる動植物性油脂由来のバイオマス燃料です。この燃料は、C重油に近い発熱量を持ち、ボイラーや焼成炉の燃料として非常に有効です。
例えば、2024年度に生産される「再生油Bio」をC重油の代替品として全量使用する場合、年間で約6,084トンのCO₂削減が期待されます。これにより、持続可能なエネルギーの供給に貢献するだけではなく、温暖化対策としても大きな意義を持ちます。
企業の未来に向けた取り組み
株式会社サニックスホールディングスは、1975年の設立以来、「次世代へ快適な環境を」という理念のもと、環境及びエネルギー関連の様々な事業を展開してきました。今後もこのプロジェクトを通じて、脱炭素社会の実現を目指し、さらなる技術革新や新たなビジネスモデルの構築に努めることでしょう。
また、サニックス資源開発グループは、廃棄物処理やリサイクルに加えて、廃液由来の再生燃料の製造など、環境保全に向けた取り組みを強化しています。このように、環境と経済の両立を目指し、持続可能な社会の実現に向かう姿勢は、これからの企業の在り方として非常に重要です。
締めくくり
グリストラップ汚泥からのジェット燃料製造に挑むサニックスグループの取り組みは、環境問題への対策としてだけでなく、新しいビジネスチャンスの創出にもつながるでしょう。持続可能な未来のための重要な一歩として、今後の成果が期待されます。