パレスチナの「ナクバ」を描いた絵本展示が全国を巡回

「パレスチナのナクバ」を伝える絵本展

ゆぎ書房が新たに発表する絵本『もしぼくが鳥だったら：パレスチナとガザのものがたり』は、パレスチナの歴史の一部である「ナクバ」（大災厄）をテーマにし、そのストーリーを柔らかく述べています。これに伴い、全国で「絵本『もしぼくが鳥だったら』とガザの子ども図書館」展が始まりました。この展示は、絵本の出版に合わせたもので、さまざまな施設で開催される予定です。

展示の概要と開催スケジュール

展示の初回は2025年1月から2月にかけて東京で行われ、その後、各地の図書館や文化センターで巡回します。具体的には、いたばしボローニャ絵本館、日本イスラーム文化交流会館、国立大学図書館などが予定されています。このように、様々な場で絵本と関連イベントが展開され、パレスチナに関する理解が深まることを目指しています。

絵本『もしぼくが鳥だったら』の特徴

著者のファーティマ・シャラフェッディーン氏が執筆し、アマル氏が絵を描いたこの絵本は、翻訳者の片桐早織氏が7〜8年前から構想していた作品です。絵本は1948年にパレスチナで起きた「ナクバ」に焦点を当てていますが、その表現は非常に優しく、子どもたちにも受け入れられやすい内容です。

また、巻末には東京大学の鈴木啓之氏による解説が付いており、パレスチナの文化や歴史に関する理解を深める手助けとなっています。鈴木氏は「読者自身がパレスチナの風土や歴史を感じ取れるヒントが詰まっている」としています。

ガザの子ども図書館とその役割

さらに、今回の展示では国際的な非営利団体であるIBBYパレスチナ支部の活動も取り上げられます。彼らが運営するガザの子ども図書館は、2014年のイスラエルの攻撃で全壊し、その後寄付を受けて再建されましたが、2023年には再び破壊されてしまいました。展示では、図書館がもたらしていた楽しさや希望、子どもたちの活動の様子が紹介されます。

この展示を通じて、多くの人々がガザにおける文化と教育の重要性を再認識することを期待しています。参加者からは「ガザに図書館があることを知らなかった」との声もあり、まだ知られていない多くの文化や歴史があることが浮き彫りになっています。

未来への希望

ゆぎ書房は、今後2年間でこの展示を全国に広めていく計画です。この活動は社会的リターンを持ち、特にガザの子ども図書館を支援することを目的としており、皆さまの参加と応援が求められています。

この機会にぜひ、パレスチナのナクバとその背後にある物語を知り、絵本を通して体験してみてはいかがでしょうか。展示やイベントの情報は、ゆぎ書房の公式ウェブサイトやSNSで随時追跡することが可能です。私たちの文化理解を深め、未来をより良いものにするための一歩を踏み出しましょう。