最中屋と国際医療福祉大学の共同研究
株式会社最中屋(京都府京都市)は、国際医療福祉大学(栃木県大田原市)との間で、認知症状の評価基準に関する包括的な共同研究を開始することを発表しました。この研究は2025年4月1日から始まり、国際医療福祉大学の小平めぐみ准教授が研究代表を務めます。
研究の背景と目的
日本の高齢化が進む中、認知症の患者数は増加し続けています。その結果、症状の個人差が大きく、重症度による適切なステージングが不足しているのが現状です。このため、適切なケアを提供することが難しくなり、現場での対応の難しさが課題となっています。
既存のBPSD評価尺度(例:DBD13)では、認知症のさまざまな症状を正確に把握することができず、新たな指標の必要性が強く求められています。
最中屋は、ヘルスケア事業においてデータ分析技術とAIを活用し、価値のある医療支援システムの実現を目指しています。これには、産学連携による研究成果の実用化と医療現場との共同開発が含まれます。
共同研究の内容
本研究では、国際医療福祉大学の専門性と最中屋のデータ分析技術を組み合わせ、以下の課題に取り組みます:
1. 認知症状の包括的分類システムの構築
2. 従来の評価尺度で捉えきれない新たな分類の開発
3. 個人差を考慮した段階的評価の方法確立
4. 異常言動を定量的に評価する新たな指標の開発
5. 日々の認知症状を記録・分析するシステムの構築
6. ケア内容と症状の関連を可視化する評価手法の開発
7. 新評価基準に基づく個別化ケアを推進する支援ツールの開発
8. 重症度に応じた適切なケア方法の提案機能
9. 介護スタッフの負担軽減と専門性の向上を支援する仕組みの実装
本研究は、最中屋が提携している先進的な介護施設をフィールドとして提供し、実際のケア現場での検証を行います。研究成果は学術的な価値だけでなく、医療・介護現場での実用化を目指しています。
まとめ
最中屋と国際医療福祉大学が手を組むことで、認知症状の変化とそれに基づくケアの関係を的確に把握し、患者一人ひとりに最適な支援を提供できる新たな評価システムを構築することを目指しています。双方の専門性を生かしたこの共同研究により、今後の認知症ケアの質向上が期待されます。