近年、異常気象が農業に深刻な影響を与える中、特に2025年の夏は記録的な猛暑と少雨によって大根の生産が大きく揺らぎました。生産農家の中でも、石毛浩貴氏が代表を務めるまるはちFarmでは、この厳しい状況にも関わらず高品質な大根を安定して出荷することに成功したのです。この背景には、石毛氏が抱える農業に対する情熱と独自の農業手法がありました。
大根の出荷状況
株式会社農業総合研究所が行った調査によると、全国のスーパーマーケットで展開される「農家の直売所」における大根のは2023年から2025年にかけて出荷価格が上昇傾向にあることがわかりました。2025年の冬から春にかけての価格は前年同時期と比べて30%を超える上昇を見せ、その影響で輸出業者や小売店の困難も浮き彫りになっています。こうした価格の変動は、大根の出荷件数にも影響を及ぼし、大根の出荷ピークは主に12月から1月に集中しています。
異常気象の影響
多くの地域で猛暑と乾燥が続く中、千葉県で大根を生産しているまるはちFarmも同様の影響を受けました。通常、8月に種を蒔き、10月に収穫する予定のところ、雨が降らずに発芽が難航し、多くの手間を要することになりました。このような作業は通常の農業運営に大きな負担を与え、結果的に収量が大きく減少する事態を招きました。
まるはちFarmの工夫
しかし、まるはちFarmではその厳しい環境に立ち向かい、安定供給を実現するために、いくつかの重要な取り組みを実施しました。
1. 有機肥料を重視した肥料設計
まるはちFarmでは、パートナー業者と共に土壌分析を行い、それに基づいた有機肥料を中心とした肥料設計を採用しています。このアプローチにより、健全な土壌づくりを継続し、高品質な作物の生産につなげています。
2. ステビア資材の使用
また、液肥としてステビア資材を利用することで、大根の甘みと日持ちを向上させ、消費者からも高い評価を得ています。
3. 品質管理の徹底
収穫後の処理においては、しっかりと冷蔵庫で予冷を行い、乾燥を徹底することにより、輸送時のカビや変色を防ぐ努力をしています。これにより、農家が求める高品質の状態を保ちつつ、効率的な流通を実現しています。
将来の展望
石毛氏は今後、更なる気候変動に対する戦略として、種メーカーとの情報交換を積極的に行い、気候に強い新品種の試作も行っていると言います。"常に良いものを供給し続けたいという思いから、新しい情報や技術をいつでも取り入れていきたい"と語る石毛氏の姿勢は、これからの農業の在り方を示唆しています。
このように、まるはちFarmの取り組みは単なる農業を超え、持続可能な農業経営に向けた新たな道を切り開いています。全国のスーパーマーケットでの「農家の直売所」事業を通じ、都市部の消費者に新鮮な農産物を届けるその姿勢は、多くの人々からの信頼を得ています。