ビバラッシュが9月29日に開催した『SUMMER ONEMAN TOUR 2024』のファイナル公演は、TOKYO FMホールにて行われました。彼らの新曲「エンペラータイム」がTVアニメ『多数欠』のオープニングテーマを飾る中、今回は初めてのホールワンマン公演ということで特別な魅力が漂いました。
ステージが暗転し、メンバーが手に取るように現れると、リーダーのるいまるは集まったファンに向かって「派手に行こうぜ!」と叫び、ライブの始まりを告げます。「じょうずに〇〇できるかな」といったキャッチーな楽曲から始まり、リクリエーション感覚で場の空気を盛り上げるライティングが見事でした。
ビバラッシュは、オーディエンスとの一体感を大切にするエンターテインメント集団であり、観客参加型の企画が目を引きました。その中で「多数欠」というアニメのテーマを活用し、会場全体が一つのコミュニティとして楽しむ時間を作り出しました。「多数欠」では少数派が勝利するルールに基づき、観客を巻き込みながら進行し、まるで新たな体験を共にしているかのようでした。数多くのファンが集まる中で、「有頂天ラリアット」の演奏が始まると、選ばれた観客がスクワットを行う姿が見受けられ、全体の熱気が自然と高まりました。
さらに、ツアーではオリジナル企画が多数用意され、観客との交流がしっかりと根付いていました。楽曲の合間に、特別に配布された“特権利封筒”が登場し、参加者が振付を決めるという新しい試みも行われました。この”権利”によって、観客の意見を取り入れながらライブの演出を楽しめる仕組みが実現。
また、メンバーがそれぞれのユニークなキャラクターを活かしたパフォーマンスを行い、彼らの過去の定番曲や新曲も見事に織り交ぜられました。特に「恋せよシュビドゥバ」といった楽曲では、実際にるいまるが観客の中を練り歩く姿が印象的でした。より直にファンと繋がることを意識したこの表現は、ビバラッシュの新しいスタイルを確立した瞬間でもありました。
公演の締めくくりに向けて、更にパワフルなパフォーマンスが続き、夢のような体験を来場者全員で味わうことができました。COREなファンから新規ファンまで、全員が共に楽しむ姿はまさにビバラッシュの享楽的な部分を象徴していました。
アンコールに入ると、さらにサプライズが待っていました。『多数欠』の原作者、宮川大河先生が登場し、メンバーとの交流が生まれた瞬間には会場が驚きの声を上げました。そうして、この日の公演は「等身大Dreamer」で華やかなフィナーレを迎え、ビバラッシュのエンターテインメント精神が存分に発揮される素晴らしい時間でした。
最後に、ツアー中に行われたSNS企画も好評を博しました。各地のライブ写真を共有し、選ばれた参加者にはオフィシャルカメラマンとしてライブを撮影する権利や、メンバーへのインタビュー権も与えられました。このように、ビバラッシュは新たなファンとのつながりを持ちながら、自分たちのスタイルを進化させ続けているようです。
今後もビバラッシュから目が離せません。このツアーを通じて得た多くの経験は、彼らの今後に大きな影響を与えることでしょう。