産業革新投資機構がリアルテックファンド4号に投資
2023年、東京都港区に本社を置く株式会社産業革新投資機構(JIC)が、ディープテック分野で投資を行うUntroD Capital Japan株式会社が運営するリアルテックファンド4号投資事業有限責任組合(RTF4号)に対し、20億円の投資を行うことを発表しました。この投資は、我が国の産業競争力の強化やオープンイノベーションの推進を目的としたものであり、特にディープテックスタートアップへの支援が重要視されています。
ディープテックへの支援の必要性
日本が抱える社会課題を解決するためには、ディープテックに取り組むスタートアップへの資金供給が欠かせません。しかし、研究開発から商品化までには多大な時間と資金が必要であり、多くの国内スタートアップがその支援を受けられない状況にあります。特に地方の大学発スタートアップなどは高い成長ポテンシャルを持ちながらも、資金需要に対応できていない現実が存在します。
RTF4号の特徴
リアルテックファンド4号は、エネルギー、農業、医療、エレクトロニクスなどの分野に特化したディープテックへの投資を行っています。UntroDは、これまでに幅広いリスクマネーの供給実績を持ち、特に地方の研究機関や大学と連携した支援体制を整えています。JICは、RTF4号への出資を通じて、民間投資家の関心を引き出し、ディープテック分野における新規事業の創造を期待しています。
新たなガバナンス体制
JICは、2024年12月4日に新たな行動規範や倫理規範、ハラスメント防止規程を出資要件として設定することも発表しました。RTF4号へのLP投資は、この新基準を満たす初の案件となり、ガバナンス体制の整備を進める意義も含まれています。
この取り組みは、産業界における透明性と倫理性を高め、持続可能な成長を促すための重要なステップとして位置づけられています。
地方のスタートアップ支援
JICは、民間ファンドへの出資や自らのファンドを通じて、地域に散在する技術シーズの発掘と企業化を推進します。特に、NTRODは全国の大学や研究機関と連携を深め、将来性のある技術を持つスタートアップへの投資を強化します。このような地域密着型の取り組みが、日本におけるディープテックエコシステムの発展に寄与することを期待しています。
RTF4号概要
- - 名称:リアルテックファンド4号投資事業有限責任組合
- - 設立年:2023年
- - 存続期間:10年半(最長3年間の延長可能)
- - GP:リアルテックファンド4号有限責任事業組合
まとめ
JICのRTF4号への20億円のLP投資は、ディープテック分野における革新と成長の可能性を広げる意義深い取り組みです。地域に根差したスタートアップ支援を強化し、日本経済の競争力を高めることが期待されています。今後の展開が注目されます。