2024年10月14日、米国カリフォルニア州サンノゼにて、世界的なクリエイティビティカンファレンス「Adobe MAX」が開幕し、アドビはAdobe Creative Cloudの100以上の新機能を発表しました。
今回のアップデートでは、特に「Adobe Firefly」と呼ばれる生成AIモデルが注目されており、これによりクリエイターは画像や動画の制作がより迅速かつ効率的になります。Adobe Fireflyには新たに「Adobe Firefly Video Model(ベータ)」が追加され、文字や画像から動画を生成する機能が加わりました。これにより、クリエイティブプロフェッショナルは新たなアイデアを視覚化し、よりスムーズにコンテンツを制作できるようになります。特に、Adobe Fireflyの新機能は商用利用が安全にできるよう設計されており、プロフェッショナルな場面でも安心して使用できます。
また、アドビはAdobe GenStudioの新アプリケーション「Adobe GenStudio for Performance Marketing」の提供を開始し、企業向けにマーケティングキャンペーンのコンテンツ管理とパーソナライズされた顧客体験を簡単に計画、制作、測定するツールを提供しています。この新アプリケーションは、クリエイターとマーケティング部門の連携を強化し、迅速で効率的なコンテンツ制作を実現します。
さらに、Adobe Photoshopには新しいスマート機能が追加され、画像から不要な要素を自動で検出し削除する機能「不要な物を検出」、デザイナーが様々なアイデアを試すための「生成ワークスペース(ベータ)」が発表されました。これにより、ユーザーは持っているビジョンを実現しやすくなります。そして、Adobe Illustratorでも新しい「パス上オブジェクト」機能や画像トレースの強化が施され、デザイン業務がさらに進化しました。
また、Adobe MAXでは、アドビが次世代クリエイターへの支援も強化していることが発表されました。約3000万人の学習者と教師がAdobe Expressを利用し、デジタルマーケティングやAIリテラシーを学ぶ支援を改めて強調しています。この取り組みは、クリエイティブな能力を広める上での重要なステップと捉えられています。
さらに、Adobe Foundationは地域社会の支援として、フロリダのハリケーンによる復興に100万ドルを募金し、クリエイティブコミュニティを支援する活動にも取り組んでいます。アドビは、Adobe MAXの参加者やスポンサーからの寄付金を使って、地域社会に貢献する意向を示しました。
アドビのデジタルメディア事業部門を率いるデイビッド ワドワーニ氏は、「クリエイティブなコミュニティに新たな力を届けることが私たちの使命です。今の時代に求められるクリエイティブ内容を提供するために、アドビは技術革新を続けます」と語っています。今後のアドビの取り組みにも期待が寄せられています。