ネパールの暴動に関するASHAの声明
現在、ネパールのカトマンズで進行中の抗議運動が深刻な事態を引き起こしている。政治的な混乱は続き、2025年9月8日からのデモによって、20名以上の人々が命を落としたと報告されている。NPO法人ASHA(アーシャ)は、現地スタッフと関係者の安全を確認しつつ、事業の一時休止を決定した。この声明では、ASHAが取り組む内容と今後の対応について詳述していく。
1. 暴動の背景と状況
9月4日、ネパール政府は約26のソーシャルメディアプラットフォームに対する規制と登録義務を発表した。この発表に反発した若者たちが翌日から抗議行動を始め、そのデモは当初平和的だったが、次第に暴力的な衝突に発展した。デモ参加者は、反腐敗や政治体制の刷新、ソーシャルメディアの自由を求めており、これに対し政府は厳しい弾圧を行っている。
現地では、議会や内閣の施設が焼かれ、多くの人々が怪我を負い、さらに首相K.P. Sharma Oli氏の辞任を求める声も強まっている。現在、ネパール軍が治安維持のためにカトマンズに展開し、無期限の夜間外出禁止令も発令されている。
その影響は日常生活にも及び、医療機関や商店が一時休業するなど、生活インフラにも深刻な影響が見られる。さらに、インターネット通信の障害も報告されており、情報の取得が困難な状況にある。
2. ASHAの安全確認
ASHAは、現地プロジェクトメンバーおよび関係者の安否について、全員の安全を確認したと発表。スタッフには緊急時の避難指示と安全を確保するための連絡体制を整え、状況に応じた対応ができるようにしている。
3. 現在の事業状況
現時点でASHAのネパールにおける活動は緊急措置として一時休止している。デモによって公的機関が機能しない状況下での活動は困難で、外出禁止令が出ている間は再開することができない。
当団体は、現地NGOと連携を取りながら再開の目途を探る方針だが、安全が確認できるまでは慎重に行動する必要がある。
4. 今後の方針
ASHAは今後の方針を以下のように定めた。
- - 活動の一時停止:現地側の状況が改善され、安全が確認できるまで、活動再開は難しい。
- - 情報収集の強化:現地情報を継続的に収集し、必要な支援を行う体制を整える。
- - 日本側の活動継続:日本からのメンバーの渡航を当面中止しつつ、事業再開に向けた準備は進める。
ASHAは今後も、ネパールの市民社会と連携し、持続可能な平和的支援を目指して尽力していく所存である。