フリーランスの収入事情と働き方の満足度の実態調査2024年

フリーランスの収入事情と働き方の満足度

2024年版の「フリーランスの意識・就業実態調査」が発表され、全国のフリーランス1,000名を対象にした調査結果が明らかになりました。調査は初の試みで、多様な職業におけるフリーランスの現状を浮き彫りにしています。

調査概要と収入実態

調査では、フリーランスとして働く人々の収入や働き方に対する満足度が焦点となっています。約半数のフリーランスが、会社員時代よりも収入が減少したと回答していますが、62.1%はその働き方に「満足」しているとの結果が出ました。職種によって収入の変化は異なり、特にIT業界では約73万円の増加が見られる一方で、編集・ライティング系では約95万円の減少が報告されています。これらの結果から、自由度が増す働き方が多くのフリーランスにとって魅力的である一方で、収入の波が不安材料であることも分かります。

不安定な収入と心理的な影響

調査によると、フリーランスが抱える最大の不安要素は「収入の不安定さ」であり、38.8%がこれを挙げています。実際、直近1年間での最高月収は平均53.5万円、最低月収は11.3万円と大きな差が見られます。この収入の波によって、フリーランスの心理的なストレスが増加する可能性があります。

交渉力の実態

フリーランスが取引先と交渉する際の状況も調査されました。約5人に1人が金額や納期について交渉の余地がないと回答していますが、全体の61.7%は金額について交渉可能としています。職種ごとの差異もあり、企画系やコンサルタント系は比較的交渉がしやすい傾向にある一方で、通訳・翻訳業界では交渉の余地が低いことが確認されました。

フリーランス新法への期待

2024年11月に施行される「フリーランス新法」に対して、35.0%が期待を寄せています。主に契約トラブルの防止や権利主張の強化に期待が集まっており、明文化されたルールがフリーランスにとって安心材料となることが期待されています。しかし、同時に新法によっても状況が改善しないのではないかという懸念の声も多く見られます。

まとめ

調査の結果から、フリーランスとしての働き方には自由度と満足感がある一方で、収入の不安定さや交渉に関する課題が浮き彫りになりました。フリーランス新法が施行されることにより、これらの問題が少しでも改善されることが期待されます。今後、フリーランスとして安心して働くための環境が整備されることが求められています。