PortXが連産品プロセスの革新に挑む
株式会社PortXが新たに、連産品プロセスを持つ化学や素材業界を対象に、需給のバランシングに関する意思決定の支援を行う取り組みをスタートしました。これまでの業界においては、難解な判断がベテラン任せになりがちでしたが、PortXの新サービスはその状況を一新します。
連産品プロセスの課題
化学・素材業界では、連産品の生産が行われる際、需給の変動に直面して判断を下すことが求められています。しかし、生産比率が固定されているため、ベテラン担当者に依存する傾向が強く、再現性や情報の引き継ぎが難しいという構造的な課題があります。この現実により、日々の業務は感覚や調整会議による判断に頼ることが多々ありました。
PortXのアプローチ
PortXは、AI開発基盤「Formula」を活用して、業界特有の需給判断の難しさを解消する神経を吹き込むことを目指します。生産管理や工場のデジタル変革を担う担当者にとって、固定比率で複数製品が生成される連産品プロセスは実に難しい課題です。運転データはDCSやヒストリアンに蓄積されていますが、その活用方法が長らく確立されていませんでした。
実現する機能
PortXのサービスは、特に「業務の言葉」での翻訳に重点を置いています。これにより、「あと4時間でタンクが満杯になる」「下流Aの供給を絞ると、上流Bは2時間後に過剰生産になる」といった状況を視覚化します。意思決定者が自らの判断を基に、事前に複数のシナリオを比較し、選択できる状態を作り出します。
特徴1: 制御系に手を加えない
PortXの 最大の特長は、既存の制御系や安全計装システムに手を加えず、運転データのみを参照できることです。これにより、導入時のリスクを極力減らし、プラント運営に影響を与えないという安心感があります。
特徴2: 段階的な導入
また、全てのプラントを一気に連動させるのではなく、一部の中間品からの段階的導入を可能にします。これにより、部門の決裁範囲内での意思決定を完結でき、効果を確認した後に展開する進め方が採用されています。
特徴3: 判断の共有化
さらに、需給判断の根拠をシステム上で明確にし、組織として可視化することにより、ベテラン個人に依存していた判断が、チーム全体で再現可能な状態に変わります。これにより、新しいメンバーへのトレーニングや判断履歴の蓄積が促進され、継続的な改善が実現します。
代表取締役 気持ち
PortXの代表取締役、石田寛成氏は「多くの素材メーカーが需給バランシングの課題を認識しているものの、確かな解決策がなかった。このプロジェクトは、現場の判断者が選択肢を持つことで、意思決定の自立を促すことが目標です」と述べています。
まとめ
このようにPortXは、連産品プロセスの需給判断という難しい課題に対し、AI技術を用いた決定的なアプローチを展開しています。これにより、業界全体の生産効率や信頼性を向上させることが期待されます。PortXが新たに創出する価値に、今後の展開が非常に楽しみです。