イムノセンスのPOCTデバイス開発が進展
株式会社イムノセンスは、独自の免疫測定技術『GLEIA法』を用いてPOCT(Point of Care Testing)デバイスの開発を進めています。この技術は、大阪大学特任教授の民谷栄一氏によって創出されたもので、免疫反応と電気化学反応を融合した新しい試験法です。
グローバル・ブレインによる追加出資
先日、グローバル・ブレイン株式会社が運営するShimadzu Future Innovation Fund(Shimadzu FIF)から、イムノセンスに対する追加出資が行われたことが発表されました。この出資により、イムノセンスはさらなる研究開発や事業拡大に向けた資金を得ることになります。
イムノセンスが開発を進めるPOCTデバイスは、従来の免疫検査方法が抱える課題を解決するものです。現在の免疫検査は、目視での免疫クロマト検査や、高感度の定量検査の2つに分類されます。前者は感度が低く、後者は価格やサイズ、リアルタイム性に問題があります。これに対し、イムノセンスのデバイスはリアルタイム測定を可能にしながら、高感度で低コスト、さらにコンパクトなサイズを実現しています。
研究開発の現状
2023年に実施された出資以降、イムノセンスはすでに2品目の薬事認証を取得し、大手企業との共同開発にも着手しています。CEOの杉原宏和氏は、過去にPOCT検査デバイスの開発を手掛けた経験を活かし、同社ビジネスの推進に尽力しています。彼のリーダーシップのもとで、イムノセンスはより多くの医療現場に独自技術を浸透させるための努力を続けています。
POCT市場の成長ポテンシャル
グローバル・ブレインがイムノセンスへの出資を決定した背景には、独自の測定法とデバイス開発力の高さ、さらにはPOCT市場における成長ポテンシャルがあります。また、『GLEIA法』はPOCT以外の用途にも応用可能であるため、今後の展開が期待されています。
企業のビジョン
イムノセンスは、大阪府吹田市を拠点とし、国立循環器病研究センターのオープンイノベーションラボ内に位置しています。同社は、より迅速かつ高精度な医療診断を実現することで、医療の質を向上させることを目指しています。この取り組みは、患者にとっての利便性向上にもつながることでしょう。
今後もイムノセンスの活動に注目が集まることは間違いありません。