鉄道デザインの最前線で評価された東急電鉄の挑戦
2023年10月、国際的に権威ある鉄道デザインコンペティション「第13回ブルネル賞」において、東急電鉄が池上線の改良プロジェクトで奨励賞を獲得しました。この受賞は、東急グループとして初の快挙であり、池上線の池上駅改良・駅ビル開発と、戸越銀座駅および旗の台駅の「木になるリニューアル」という2つの取り組みが評価されました。
ブルネル賞とは?
ブルネル賞は、ヨーロッパの鉄道デザイン担当者たちが集うワトフォード・グループ主催の唯一の国際コンペです。駅舎、工業製品、技術インフラ、鉄道車両の4部門から、優秀賞や奨励賞が選ばれます。1985年に始まったこのコンペは、数年ごとに開催され、今回が13回目となります。受賞式は2025年ロンドンで行われる予定です。
名誉ある受賞理由
今回の受賞には、デザインの革新性や品質、さらには鉄道デザインの未来への貢献が強く評価されました。池上駅の改良プロジェクトでは、歴史的要素を反映させたデザインや、図書館などの公共施設を併設した点が特に好評でした。一方で、戸越銀座駅と旗の台駅の「木になるリニューアル」では、施工条件の中で木材を活かし、美しい屋根を実現した点が称賛されています。
リニューアルプロジェクトの詳細
池上駅改良・駅ビル開発
- - 所在地: 東京都大田区池上6丁目3番10号
- - 運用開始: 2020年7月19日(橋上駅舎化)
- - 駅ビル開業: 2021年3月30日
- - 設計会社: 東急電鉄(株)や(株)東急設計コンサルタントなど
- - 施工会社: 東急建設株式会社
戸越銀座駅「木になるリニューアル」
- - 所在地: 東京都品川区平塚2丁目16番1号
- - 竣工: 2016年12月
- - 工事内容: ホーム屋根、旅客トイレの建替え、駅舎のリニューアルなど
- - 設計会社: 東急電鉄やアトリエユニゾン、ホルツストラなど
旗の台駅「木になるリニューアル」
- - 所在地: 東京都品川区旗の台2丁目13番1号
- - 竣工: 2019年7月
- - 工事内容: ホーム屋根の建替え、待合室の改修など
- - 設計会社: 東急電鉄やアトリエユニゾン、清水建設など
今後の展望
東急電鉄は、今後も駅の魅力を高めるリニューアルや地域との連携を強化し、沿線の持続可能なまちづくりを進めます。特に「木になるリニューアル」プロジェクトでは、東京都多摩地域の木材を活用した取り組みが進行中です。このプロジェクトは、環境に優しく地域への貢献を目指しております。新たに進められる千鳥町駅の工事では、秋田県産の木材が使用される予定です。
最後に
東急電鉄のリニューアルプロジェクトは、単なる施設改善にとどまらず、地域の文化や歴史を大切にしながら、未来へ向けた新たなデザインの形を模索しています。これからの展開にも注目です。