エッジAIの未来を形作る先進技術の発表
2025年12月8日、韓国・ソウルで「Qualcomm AI Program for Innovators (QAIPI) 2025 – APAC Demo Day」が開催され、多くの注目を集めました。このイベントでは、クアルコムが推進するエッジAI技術に関する新たなソリューションが披露され、特に日本、シンガポール、韓国から選出された15社のスタートアップが、最先端の技術を駆使した製品を発表しました。
これらのスタートアップたちは、クアルコムのSnapdragon® XプロセッサーやSnapdragon® 8シリーズモバイルプラットフォームを活用し、リアルタイムで電力効率の高いAI推論を実現するオンデバイスAIソリューションを紹介。ロボティクスやヘルスケア、スマートシティといった多岐にわたる分野に革新をもたらす可能性が期待されています。
スタートアップのアイデアが持つ力
デモデイには、多様な業界から発表されたスタートアップのプロジェクトが並びました。日本からはAMATAMA、Cear、Guide Robotics、ModAstera、Noahlogyの5社、シンガポールからはAI Seer、Biorithm、LINGOAI、MetaOptics、Vilotaの5社、韓国からはBanyaAI、MaumAI、MOTOV、SAKAK、SqueezeBitsの5社が選ばれ、その革新性が光りました。これらの企業はそれぞれの特性を活かした AIソリューションを提供し、エッジAIの進化を支える役割を果たしています。
特に、スタートアップはエッジAIの導入において重要な技術と知識を持ち寄り、プライバシー保護とパーソナライズを実現する新しい製品を生み出しています。例えば、ヘルスケアの分析プラットフォームやコンピュータービジョンを活用したロボティクス技術がその一例です。
メンターシップと支援の重要性
このイベントは、6か月間のメンターシッププログラムの一環として実施されたもので、選ばれたスタートアップにはクアルコムのエンジニアからの技術サポートが提供されます。また、専用のハードウェア開発キットやビジネスワークショップが用意され、製品の導入準備を助けるサポートも行われています。さらに、このプログラムには知的財産(IP)に関するトレーニングや、特許申請のインセンティブも含まれており、長期的な競争力を強化するための環境が整っています。
AIイノベーションの未来を語る
デモデイでは、クアルコムのエグゼクティブも登壇し、AIがもたらす産業変革についての見解を述べました。クアルコムAPACのプレジデントであるO.H. Kwon氏は、アジア太平洋地域のイノベーターたちがAIの進化をリードする重要性を強調し、これからのエコシステム強化に向けての取り組みが続くことを発表しました。これにより、次世代のAI技術が実社会でどのように影響を及ぼすか、期待感が高まっています。
さらに広がるエッジAIの可能性
クアルコムは、2025年10月にシンガポールで開催されるイノベーション&テクノロジーウィーク(SWITCH)にも参加し、今回のデモデイで紹介されたスタートアップとともに、さらなる多様な領域へのAIソリューションの展開を目指しています。各分野のイノベーションを結集した技術が、新たな未来を切り開くことに寄与することが期待されています。
今後もクアルコムは、エッジAIの発展に向けた取り組みを継続し、その進化を推進していく所存です。2026年のQAIPI-APACでも、さらなるスタートアップを支援し、イノベーションを生み出す土台を築いていきます。