セガエックスディーと関西大学の共同研究
2023年11月1日、株式会社セガエックスディーと関西大学が共同で、電子マンガのソーシャルリーディングに関する研究を開始しました。この取り組みの目的は、デジタル技術を活用して、読書体験の向上やマンガ表現の新たな可能性を探ることです。
ソーシャルリーディングとは?
ソーシャルリーディングとは、読者同士が読書の感想を共有しながら一緒に作品を楽しむ行為を指します。この新たな読書スタイルは、特にスマートフォンなどの電子デバイスの普及によって、ますます注目を集めています。
研究の目的と概要
セガエックスディーが展開する「マンガサイエンス研究所プロジェクト」では、読者が電子マンガを閲覧する際の行動に重点を置き、ユーザー間のコミュニケーションやレコメンデーション機能の有効活用を目指しています。昨年度には基礎調査として、実験用の電子コミックビューアーアプリを用いた行動データの収集が行われました。ここで得られたデータから、どのような作品内容がユーザーのリアクションを促進するかに関する示唆が導かれました。
今年度は、これまでの知見を基に、さらに具体的なユースケースを取り入れたプロトタイプアプリの開発が進められています。これにより、異なるユーザーインターフェースを用いた場合の行動の変化を測定することが目的となります。
産業と学術の連携
日本のマンガ業界が国際的な関心を集める現在、セガエックスディーは電子コミックの配信システムやビューアーの開発において、セガと共同で取り組んでいます。この共同研究で得られた成果は、商用サービスの向上や新たなアプリケーションの提供に生かされる予定です。また、関連する研究や実証実験・社会実装にも貢献していく計画です。
関西大学の役割
関西大学の文化芸術計算機科学研究室では、人工知能技術のマンガやさまざまなエンタテインメントコンテンツへの応用研究が進められています。山西良典教授と松下光範教授が中心となり、コンテンツに関連するインタラクションデザインの研究にも注力しています。
未来への展望
セガエックスディーは、今後もゲーミフィケーションやデジタルコンテンツ制作の専門知識を駆使しながら、産学連携を通じて社会のさまざまな課題を解決していく方針です。よって、この産学連携がもたらす「マンガの新しい楽しみ方」が、多くの読者にとって新たな価値を提供することが期待されています。私たちの読書体験がどのように進化していくのか、大いに注目です。