デジタル庁が進めるチケット不正転売防止の最新実証実験

2025年4月4日、デジタル庁はエンターテインメント分野におけるマイナンバーカードの利用拡大を目指し、チケットの不正転売防止に関する実証実験を実施しました。この実験は、穂坂デジタル副大臣が視察を行う形で行われ、今後のデジタル社会への大きな一歩と期待されています。

実証実験の背景

昨年度、チケットの不正転売に関する問題が顕在化し、特にマイナンバーカードを活用した本人確認の必要性が高まっていました。ファンが平等にライブイベントを楽しめる環境を整え、チケット市場の健全化を図るため、本実証実験が企画されました。この試みは、マイナンバーカードを通じた本人確認を強化し、入場手続きの効率化や不正転売の防止を目指しています。

視察の様子と実証実験の内容

穂坂副大臣が視察したのは、2025年3月21日に開催された「モーニング娘。’25 小田さくらバースデーイベント」と、同年3月29日の「Hello! Project ひなフェス 2025」です。これらのイベントでは、参加者がマイナンバーカードを使用して本人確認を行い、その結果として不正転売の抑止効果が期待されています。

副大臣は、視察後のコメントで「マイナンバーカードを利用することで、複数のダミーアカウントによるチケット取得やなりすましの入場を防ぐ手段が確立された」と述べました。これにより、アーティストとファンの平等な機会が確保され、不正転売を防ぐための重要な一歩を踏み出したと評価されています。

実験では入場時に顔認証システムと二次元コードを使用し、スムーズなチェックインが実現されたことを確認しています。従来の紙チケットによる入場手続きは人手がかかるため、デジタル化の利点を最大限に活用することが求められています。

今後の展望

穂坂副大臣は、なりすましや不正転売が映画や音楽などさまざまなエンタメ分野での大きな課題であることを指摘し、実証実験から得られたデータによってチケット販売の未来を形作る意義を強調しました。この取り組みを通じて、ファンが純粋に好きなことを楽しめる環境を整えるとともに、マイナンバーカードを活用する幅広い可能性に期待を寄せています。