2025年新入社員意識調査の結果
2025年3月25日から4月24日の期間、ALL DIFFERENT株式会社とラーニングイノベーション総合研究所が行った新入社員意識調査が発表されました。この調査には、2025年度に入社した新入社員3,933人が参加し、驚くべき結果が示されました。
調査結果のポイント
新入社員の65.4%が「今の会社で働き続けたい」と回答する一方、企業は人手不足に悩まされています。この研究では、特に新入社員がどのような条件を望んでいるのか、その背景について詳しく探ります。
1. 勤続意向の上昇
調査によれば、「今の会社で働き続けたい」と感じる新入社員の割合は12年間で最も高い数字を記録しました。具体的には65.4%がポジティブな回答をしており、今後の離職の可能性について慎重な考え方を持っていることが示されています。実際、この数字は2014年度からのデータを比較すると、徐々に上昇しており、特に2019年度には半数を下回っていました。
2. 求める仕事の条件
今後取り組みたい仕事について聞いたところ、勤続意向者は「チーム一丸で取り組む仕事」や「楽しく、やりがいのある仕事」を重視する傾向がありました。対照的に、離職意向者は「成果次第で給与が上がる仕事」や「自身のペースでやり切れる仕事」を求める意見が多く見受けられました。
3. 働き続けたい理由
新入社員が今の会社で働き続けたい理由として、「職場の人間関係が良い」と「高い給与・賞与」を挙げる人が多く、どちらも6割を超える結果となりました。特に職場の人間関係は男性では60.0%、女性では73.5%と、性別によってもその関心には違いがありました。近年の物価高騰の影響で「高い給与・賞与」が求められる傾向も強まっているようです。
4. 企業文化の重要性
「互いに協力し合い、チームワークを重視する文化」が長く働きたい会社の条件として最も高い割合で支持され、全体の72.8%がこの意見に賛同しました。この結果から、新入社員は良好な人間関係が築ける環境での勤務を強く望んでいることが窺えます。
専門家の考察
新入社員が組織に早くなじむための重要な要素が数多くある中、組織社会化を支援する4大要素として
1. 政治人脈知識の獲得
2. 学習棄却(アンラーニング)
3. 評価基準・役割の獲得
4. 知識・スキルの獲得
が挙げられます。これらの要素が整うことで、新入社員はスムーズに組織に適合し、成果を上げていくことが期待されます。
まとめ
65.4%もの新入社員が今の会社での勤務を希望する中、職場の人間関係や給与は彼らにとって決定的な要因であることが明らかとなりました。企業には、求人市場の変動を受けて、若手社員を励ましつつ、適切な労働環境を整えることが求められています。新入社員の意見を尊重し、彼らが心地よく働ける環境を提供することが、離職率の低下につながるかもしれません。