アンモニア燃料船開発
2021-10-26 19:22:24

日本郵船などがアンモニア燃料国産船舶を開発、ゼロエミッションへ向けて進展

2021年12月から、、日本郵船株式会社、株式会社ジャパンエンジンコーポレーション、株式会社IHI原動機、日本シップヤード株式会社、一般財団法人日本海事協会の5者が共同で「アンモニア燃料国産エンジン搭載船舶の開発」に取り組むことが正式に発表されました。このプロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成を受け、日本の航運業界における温室効果ガス(GHG)排出量削減を実現することを目的としています。

1. プロジェクトの目標


この取り組みの最大の目標は、日本が主導する形で国際競争力のあるアンモニア燃料船を開発し、アンモニア燃料船に関連する安全ガイドラインや法規制の整備に貢献することにあります。他国に先駆けた技術開発を推進し、研究開発段階から商業化までを一貫して行うことで、国際的な競争力を高めていきます。

2. 背景


2016年に発効したパリ協定以降、各国は脱炭素に向かう動きを強化しています。日本政府も2050年までにGHGの排出をゼロにする方針を示すなど、エネルギー政策の転換が進められています。海運業界においても、GHGの削減は急務であり、次世代燃料の普及が求められています。特に、アンモニアは燃焼時に二酸化炭素を排出せず、持続可能な燃料として注目されています。

3. 実証事業の概要


このプロジェクトでは、以下の2つのタイプの船舶が開発されます。

(1) アンモニア燃料タグボート(A-Tug)

アンモニアを燃料とするタグボートの開発・運航が行われます。2024年度の就航を目指し、GHG排出量削減を実現するために、アンモニア燃料の混焼率を80%以上にすることを目標とします。この事業のパイロット燃料として、少量の燃料油を使用する計画です。また、将来的にはバイオ燃料を用いることも検討されています。

このタグボートの設計および法規対応は日本郵船が担当し、株式会社IHI原動機はアンモニア燃料4ストロークエンジンの開発を行います。日本海事協会は、安全性評価を担当します。

(2) アンモニア燃料運搬船(AFAGC)

2026年度には、アンモニアを貨物として運ぶアンモニア運搬船が就航予定です。商業航海中は、そのアンモニアを燃料として利用する設計です。主機では混焼率最大95%、発電機では80%以上の達成を目指してGHG排出量削減に取り組みます。

このコンセプト船舶の設計・法規対応は日本郵船が担当し、株式会社ジャパンエンジンコーポレーションは2ストロークエンジンの開発を行います。株式会社IHI原動機が補機エンジンを担当するほか、日本シップヤードは船体開発を行い、日本海事協会が安全性評価を行います。

4. プロジェクトの期間とスケジュール


このプロジェクトは2021年12月から2028年3月31日までの予定で進行します。各社が一致団結して、持続可能な社会を目指して協力していきます。

まとめ


アンモニアを利用した新たな船舶の開発は、海運業界において環境問題への対応を強化する重要な一歩です。このプロジェクトにより、国内外の航運分野におけるゼロエミッション化が進むことが期待されます。

会社情報

会社名
株式会社IHI
住所
東京都江東区豊洲三丁目1-1豊洲IHIビル
電話番号
03-6204-7800

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。