小売業界の新たな潮流
2024-07-02 13:46:32

欧州最大級の戦略コンサルティングファームが明らかに!消費者行動の変化が加速させる小売業界の新たな潮流

消費者の購買行動が変化!小売業界は新たな潮流へ



欧州系最大級のグローバル戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガー(本社:ドイツ、ミュンヘン)が、ドイツ、米国、日本の1,800人以上の消費者を対象に、衣料品、靴・靴下、アクセサリー、美容・セルフケア用品におけるショッピング行動を調査したレポート「流通戦略を再考する」を発表しました。

本調査では、消費者がファッション、美容、スポーツ用品等のショッピングにおいて、複数のブランドを提供する販売店(マルチブランド チャネル)を好む傾向があることが明らかになりました。さらに、購入前に他のチャネルを経由する購買経路の傾向も確認されています。

直営販売だけでは限界?オムニチャネル戦略が求められる理由



従来、小売企業は直営販売(Direct to Consumer – D2C)を通じてブランド管理、消費者データ、高い利益率を獲得してきました。しかし近年、直営販売による売上成長率は下降傾向にあります。

直営店やオンラインショップにおいて、質の高い消費者体験を提供するためには、テクノロジーや人材など、多額のコストが必要となります。さらに、チャネル全体で一体的な消費者体験を提供することも課題となっています。このような状況から、多くの企業がチャネル戦略の見直しを迫られています。

多様なチャネルを巧みに活用する戦略がカギ



ローランド・ベルガーの調査では、消費者の約84%が、情報収集と購入の両段階で、実店舗またはオンラインのマルチブランドチャネルを利用していることが判明しました。特にドイツでは89%、米国でも85%と高い数値を示していますが、日本は76%とやや低い結果となりました。

また、直営店での購入では6割以上、マルチブランドチャネルでの購入では4割以上の消費者が、購入前に別の販売経路で情報収集を行っていることも明らかになりました。

若い世代は特にマルチブランドチャネルを活用



興味深いのは、購入までに複数の販売チャネルを経由する傾向が、年齢が若い層ほど強いことです。例えば、マルチブランドを扱う実店舗で購入した回答者のうち、事前に直営店の実店舗で情報収集を行ったのは、35歳までのグループで27%だったのに対し、51歳以上のグループでは12%にとどまりました。

オムニチャネル戦略で顧客体験を向上させよう



ローランド・ベルガーのパートナーで小売り業界に精通するファリス・モマニ氏は、直営店は今後も重要な位置づけを維持しつつ、複数のチャネルを統括するオムニチャネル流通アプローチによって、消費者の複雑な嗜好を捉え、最適な消費者体験を提供することが可能になると指摘しています。

企業は、消費者を深く理解し、既存の販売チャネルの適合性を評価することで、直営店とマルチブランドチャネルの両方の長所を活かした戦略を構築できるでしょう。

今後の小売業界を左右する消費者行動の変化



今回の調査結果から、消費者の購買行動は大きく変化していることがわかります。小売企業は、消費者のニーズを的確に捉え、オムニチャネル戦略を積極的に導入することで、競争力を強化していく必要があります。


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