HVDCシステムでの新たな協力体制
三菱電機株式会社がGEベルノバ(GE Vernova, Inc.)との間で、 HVDC(高電圧直流送電)システム向けパワー半導体に関する協力を強化する覚書を締結しました。この合意は、経済産業省が主導する「日米エネルギー安全保障とサプライチェーン強化に向けたフォーカスグループ」の一環として実現しました。
脱炭素社会への取り組み
近年、再生可能エネルギーの導入が大きく進展し、風力や太陽光を利用した発電システムが世界的に拡大しています。その中で、HVDCシステムは、交流送電と比較して、大容量の電力を効率的かつ安定的に長距離送電できるため、必要性が高まっています。特に、VSC(Voltage Sourced Converter)型HVDCシステムは、安定した電力供給が求められる環境において非常に有効です。
三菱電機は、この分野でグローバルトップシェアを持ちつつ、更なる事業拡大を目指します。高信頼性、高耐圧大電流を持つIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)型パワー半導体の研究開発を推進し、生産能力のさらなる向上を図ることで、HVDCシステム向けのパワー半導体市場での競争力を一層強化していきます。
今後の展望
この覚書の締結により、三菱電機はGEベルノバのVSC型HVDCシステムに向けてIGBTパワー半導体を安定的に供給していくことを約束します。さらに、両社が有する技術やノウハウを融合させ、電力需要の拡張に対応できる送電網の進化を支援することが目標です。この協力は、今後のエネルギー業界の変革において、極めて重要となるでしょう。
GEベルノバの概要
GEベルノバは、米国マサチューセッツ州ケンブリッジを本社とするグローバルエネルギー企業であり、火力、風力、電化の領域で事業を展開しています。130年以上の歴史を持つGEベルノバは、電力供給を通じて持続可能な社会の実現を目指しています。彼らは、世界の脱炭素化と経済発展に寄与するため、先端的な研究やコンサルティングサービスを提供し続けています。
三菱電機グループの貢献
三菱電機は、100年以上の歴史の中で、技術革新を追求し続けてきました。社会や環境の改善に貢献することを目指し、「トレード・オン」と称する活動を進めています。デジタル基盤「Serendie®」を駆使し、グループ企業が連携して新たな価値を生み出すことに尽力しています。
結論
三菱電機とGEベルノバの協力は、HVDCシステムのパワー半導体分野における新たな可能性を開くものであり、今後のエネルギー供給の在り方に大きな影響を与えるでしょう。エネルギー業界は変革期を迎えており、両社の取り組みが持続可能な未来を形成するための重要な一歩となることが期待されます。