国内景気の最新動向
2025年5月、株式会社帝国データバンクが発表した景気動向調査によると、景況感は前月比0.1ポイント減の42.6となり、2カ月連続での悪化が確認されました。この結果は、トランプ関税の影響や物価の上昇が個人消費に影を落としていることを示しています。
国内景気は大型連休による一時的な盛り上がりが見られる一方で、持続的な回復には到達していない状況です。特に米価を含む物価の高騰は消費者の購買意欲に影響を与え、さらなる低迷を招いています。
業界別の景況感
調査対象となった10の業界のうち、5業界が悪化し、4業界が改善、1業界が横ばいという結果が出ています。特に製造業はトランプ関税の影響を受け、6カ月連続で悪化しています。自動車業界、とりわけ日産自動車に関する声には、危機感が広がっています。一方で、不動産業は大型連休の影響を受けて改善傾向が見られ、地域ごとの開発需要がプラス要因となっていることが顕著です。
企業規模別の動向
企業規模別で見ると、大企業は3カ月ぶりに改善が見られましたが、中小企業は2カ月連続で悪化しています。大企業では個人消費関連の業種が盛況だった一方で、中小企業は仕入れコストの高騰や消費意欲の低下に苦しんでいる状況が報告されています。
地域別の分析
地域別に見ると、改善した地域は5、悪化した地域は3で、残り2地域は横ばいでした。具体的には、北海道などでは半導体工場の造成が進み、不動産業も回復傾向にありますが、北関東などでは自動車関連業種がトランプ関税の影響を強く受け続けています。
今後の見通し
今後については、全体的に弱含みで推移する見通しが指摘されています。特にトランプ関税の行方が景気に与える影響は不透明であるため、企業は求められる環境変化に柔軟に対応できるかが問われます。加えて、賃金の増加やインフレ率の低下は、実質賃金の増加をもたらすかもしれないため、注意深く見守る必要があります。
国内経済は外部要因に大きく影響されており、我々は今後の動向を注視し、必要な対策を講じることが求められています。7月には次回の発表が予定されており、更なるデータにも期待がかかります。