『ブラック郵便局』重版
2025-03-21 11:27:38

郵便局の闇を暴いた調査報道『ブラック郵便局』重版決定!

調査報道『ブラック郵便局』の衝撃



著者・宮崎拓朗による調査報道『ブラック郵便局』が重版されます。この本は、郵便局の内部で何が起こっているのか、またその実態を明らかにするために6年以上にわたり取材された結果として生まれました。2007年の民営化以来17年、全国に2万4000局を超える郵便局と30万人を超える従業員を抱えるこの巨大組織では、一体何が起きていたのでしょうか。

郵便局は私たちの日常に密接に関わる存在です。街中で見かける郵便ポストや忙しく配達を行う郵便配達員、貯金や保険の窓口が利用者を温かく迎えてくれます。しかし、その裏側で何が起こっているのかを知る人は少ないのが現状です。著者の取材に応じた郵便局員たちは、声を揃えて「もう限界です」と訴えます。彼らが語るのは、過剰なノルマや深刻なパワハラの実態です。たとえば、年賀はがきの自爆営業に関してある局員は「総額100万円ぐらいは身銭を切ってきた」と打ち明けています。

また、驚くべきことに、追い詰められた局員の中には自死を選んでしまった人もいたとのことです。私たちが普段目にしている郵便局の光景が、一変する様な衝撃的な事実が明らかになる本書では、読者の心にも強いメッセージが伝わってきます。

読者の感想



『ブラック郵便局』の刊行から約1ヶ月、読者たちからは多くの感想が寄せられています。その一部を紹介します。
「読んでいて何度も涙を流す場面があり、過去の自分を思い出して涙しました。」という声がある一方で、
「頑張った人が報われる社会になってほしい」との願いも寄せられています。
「長年郵便局に勤めていますが、この本の内容は肌感覚で理解できます。」という現役の郵便局員の感想もあり、業界内部の実態を知る貴重な証言となっています。
引き続き、感想をお待ちしていますので、多くの声をお寄せください。
新潮社の公式HPからも感想を受け付けています。

取り組みの始まり



この調査は2018年の夏に始まりました。当時、社会部の記者として郵便局員たちが抱えている苦境についての記事を執筆しました。その記事がきっかけとなり、全国から郵便局で働く社員たちからの内部告発が相次ぎました。
彼らの多くは不正の実態について告発し、心の内を語ります。「不正な保険営業が行われている」という告白や、「出勤するのが怖い」という声が届きました。

私には、セクハラやパワハラが横行している実態を知ることができる数多くの手紙が届きました。中には「局長が業務をほったらかして選挙運動をさせられている」という話や、「内部通報しても会社に揉み消される」という悲痛な嘆きもありました。
このような現状を受けて、私は一つ一つの声に返事を出していくことにしました。多い時には100人以上の人たちと対話をし、彼らの物語を繋いでいきました。
私の手は、朝から夜遅くまでパソコンに向かい続け、日が暮れるのも忘れてしまうほど一心不乱に情報を求め続けました。

書籍情報



『ブラック郵便局』は、過酷な状況下に置かれた郵便局員たちの姿を描いた渾身の作品です。市民のために働いてきた郵便局員たちの疲弊ぶり、異常なノルマ、無慈悲な保険勧誘、ストレスの絶えない職場環境と、それに追随する政治との癒着について、多くの事例をもって描かれています。

この本を手に取り、多くの人に真実が伝わりますように。

著者について



著者の宮崎拓朗は、1980年生まれで福岡県出身。京都大学を卒業し、西日本新聞社に入社しました。彼は様々な部署での経験を経て、特に日本郵政グループに関する取材を精力的に行っています。これまでに数々の賞を受賞し、そのジャーナリズムの力で多くの問題を明らかにしてきました。

再度、本書が多くの人々に読まれることを願っています。


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