野生動物の飼養管理
2023-11-15 11:17:15

野生動物の飼養管理見直しを求める提言とその影響とは

野生動物の飼養管理見直しを求める提言



日本国内での野生動物の飼養管理には、さまざまな問題があります。これに対して、動物との共生を考える連絡会と国際的な動物福祉団体ワイルド・ウェルフェアが、飼養管理の見直しを求める意見書を発表しました。これにより、野生動物の福祉や私たちの健康、安全性についてのリスクの軽減を目指しています。

現状と課題



日本には、動物園や水族館、また動物カフェなど「展示業」に登録されている施設が3,000を超えます。これらの施設では数百万頭にも及ぶ野生動物が飼育されているとされ、適切な環境が提供されていない状況や、触れ合いや過剰なインターラクションが行われるケースも散見されます。このような現象は、野生動物自身の福祉を損ねるだけでなく、感染症や事故といったリスクを引き起こし、結果的には人間社会にも影響を及ぼします。

主要なリスク


  • - 違法取引: 野生動物の需要が高まり、希少種の違法な取引が横行しています。
  • - 不適切な飼育環境: 野生動物に必要な生活環境が提供されないことで、動物福祉が脅かされています。
  • - 健康リスク: 人獣共通感染症の危険は、飼育動物と人との接触により高まります。

提案されている対策


意見書では、展示業の厳格な許可制の導入や、野生動物を扱う業者に対する知識・技術のチェックが提案されています。また、飼育可能な野生動物のホワイト・リストを作成することで、リストに載っていない種の飼育を原則禁止する形を取ることも検討されています。こうした取り組みにより、野生動物の適切な飼養管理が実現されることを目指します。

今後の展望


動物との共生を考える連絡会とワイルド・ウェルフェアは、次回の動物愛護法改正に向けた具体的な取り組みを進めています。焦点は、一般家庭での野生動物飼育の制限にあります。飼育が可能な種だけを明記することによって、飼育管理を適切に行えるようにすることが目的です。

動物福祉と公衆衛生の両立


新型コロナウイルスのパンデミックによって、多くの未知の病原体が野生動物に潜んでいることも明らかになりました。このため、一般家庭での野生動物飼育は公衆衛生上の懸念も伴います。密接に接触することで、感染症のリスクが高まるからです。

さらに、一般消費者の間で野生動物に対する需要が増すことで、販売者による過剰な商取引が行われる恐れも考えられます。これは、希少種の輸入や違法取引を助長する要因となりうることから、早急な対策が求められています。

まとめ


動物との共生を考える連絡会とワイルド・ウェルフェアが提案している意見書は、野生動物の飼養管理とその福祉を向上させるための重要なステップです。人間と動物がともに幸せに暮らすための社会づくりには、短期的な施策だけでなく、持続的な法整備が必要です。これらの組織は、今後も関係者と連携しながら、より良い未来のために活動を続けていく意向を示しています。意見書は下記リンクからダウンロードできます。

展示動物を含む野生動物の飼養管理に関する課題について

会社情報

会社名
動物との共生を考える連絡会
住所
東京都町田市玉川学園7-8-1
電話番号
042-723-2755

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