大町市での新しい交通の形
長野県大町市は、2025年7月に観光客向けの新たな交通システムを導入することが発表されました。SWAT Mobilityが提供するこのシステムは、オンデマンド交通運行システムで、観光スポット間の移動をよりスムーズにすることを目指しています。
大町市は、年間約260万人の観光客を迎えており、観光周遊バス「ぐるりん号」を運行しています。しかし、このバスは定時定路線で運行されているため、利用者は平均して40分の待ち時間を強いられ、乗車時間も37分かかるという課題がありました。結果的に、観光客は1日あたり1〜2カ所しか訪れず、観光消費が底上げされない状況が続いていました。
特に、インバウンドの観光客数が2021年の139人から2023年には4万人を超えるなか、より利用しやすい交通体系が求められるようになっています。
AI技術を駆使した運行システム
SWAT Mobilityは、「ぐるりん号」の乗降データを基に、AIを活用したオンデマンド交通導入シミュレーションを実施しました。この結果、車両の待ち時間は26.5分、乗車時間は22.5分の短縮が可能であるとされています。この改善により、観光スポットを訪れる機会が増え、地域消費が拡大することが期待されています。
さらに、SWAT Mobilityの運行システムは、独自に開発したダイナミック・ルーティング・アルゴリズムに基づいており、道路情報や走行スピード情報を適切に組み合わせることで、効率的な運行が実現されます。このシステムにより、乗車率の向上が図られ、より快適な移動体験を提供することが可能となります。
運行の具体的な概要
この新しいオンデマンド交通システムは、2025年7月19日から2025年10月13日までの土日祝日および2025年の8月12日から15日の平日に運行される予定です。運行エリアは大町市および安曇野ちひろ美術館周辺となります。また、運行時間は午前9時から午後6時までで、スマートフォンアプリ「信濃大町ぐるりん号」にて予約が可能です。
こうした取り組みを通じて、大町市は新たな観光の魅力を引き出すだけでなく、地域資源を最大限に活用した観光地づくりを進めていく方針です。SWAT Mobilityは、これからもテクノロジーを駆使した運行ノウハウを通じて地域の交通課題解決に寄与し、さらなる観光消費の増加を実現することを目指しています。
SWAT Mobilityについて
SWAT Mobilityは、東京都千代田区に本社を構える企業で、人とモノの移動に関する課題解決を目指しています。最少の車両台数で複数の乗客を効率的に相乗りさせる運行アルゴリズムは、世界トップレベルと評価されています。テクノロジーの社会実装を通じて、”Empowering the world to move more with less”というビジョンに挑戦し続けます。