信州上田で楽しむ美食と文化の祭典
信州上田にて「信州上田まつたけ&ワイン祭り」が開催され、多くの来場者で賑わったこのイベントでは、ガストロノミーツーリズムを通じた地域創生を目的としています。約3500人が集まったこの祭りは、まつたけの新たな魅力を発見できる場となりました。
ガストロノミーの新たな挑戦
イベントの目玉は「まつたけ料理&ワインペアリング選手権」です。参加した地元や東京のシェフたちは、まつたけを使った斬新な料理を提案。まつたけパエリア、まつたけピザ、まつたけガレットなど、ワインにぴったり合う逸品が登場し、来場者の舌を楽しませました。出店したワイナリーは、千曲川ワインバレーの選りすぐりのものを含め、100種類以上のワインを提供し、訪れた人々はそのマリアージュを堪能しました。
まつたけ料理選手権の結果
一方、最もワインに合うまつたけ料理を選出する「まつたけ料理&ワインペアリング選手権」では、専門家や来場者の投票によって多くの賞が授与されました。最優秀賞には長野県上田市の「鎌原まんぢゅう」の「松茸おやき」が選ばれ、準優秀賞には東京都港区の「エル・トラゴン」の「まつたけパエリア」が受賞しました。また、最もまつたけ料理に合うワインには「シャトー・メルシャン椀子ワイナリー」の「シャトー・メルシャン椀子ソーヴィニオン・ブラン」が選ばれました。
自宅でもまつたけを楽しむ工夫
この祭りでは、日常でもまつたけ料理を楽しむための新商品も開発されています。「ヒカリヤニシ」の田邊真宏シェフによる「まつたけオイル」や、「鎌原まんぢゅう」の松茸塩など、自宅で簡単に本格的なまつたけ料理を楽しむことができる商品が好評でした。
危機的なまつたけの保護活動
一方で、国産まつたけの生産量は厳しい状況にあります。令和4年にはわずか36トンで、戦前の0.3%という数字にまで落ち込んでいます。この背景には、自然環境の変化や里山の荒廃が影響しており、まつたけはIUCN(国際自然保護連合)から「絶滅危惧種」として警告されています。この問題解決のため、クラウドファンディングを通じて「まつたけを救う活動」が行われ、651,000円の資金が集まりました。
持続可能な地域創成を目指して
信州上田まつたけ&ワイン祭りは、まつたけとワインの新しい食文化を形成するだけでなく、持続可能な地域創成にも寄与しています。今後、このようなガストロノミーフェスを日本各地で広め、地域の自然環境を守るための活動を続けていくことが期待されています。
この取り組みにより、まつたけとワインが育む地域との共生の姿が、さらに多くの人々に伝えられることになるでしょう。
祭りの実行委員会について