日立グループ、台北MRTの最新プロジェクトに参画
台湾の公共交通の未来を支える新たな一歩として、日立グループが台北市政府捷運工程局から台北MRT万大-中和-樹林線第二期工程向けに147台の昇降機を一括受注しました。今回の受注は、日立が台湾においてこれまでの中で最大の規模であり、日立永大電梯の創業以来最大のプロジェクトともなります。
台北MRT万大-中和-樹林線の概要
万大-中和-樹林線は、台北市及び新北市にわたって建設される鉄道路線であり、人口密度が高く交通需要の厳しい地域での公共交通を強化することを目的としています。この路線は、第一期工程として9駅、全長9.5kmが既に完成し、第二期工程では新たに13駅、13.3kmが加わる予定です。2031年には全ての工事が完了し、台北都市圏の輸送能力が格段に向上する見込みです。
製品の安全性と機能
新たに設置されるのは、13駅及び変電所に配置されるエレベーター41台とエスカレーター106台です。特にエレベーターには地震時管制運転機能が装備されており、これにより地震の揺れを感知した際に、自動的に最寄りの階に停止し、扉を開くことで利用者の安全を保障します。この機能は、台湾国内での法制には義務付けられていないものですが、高まる安全への関心に応える形で導入されます。
エスカレーターにおいても、地震時に緩やかに停止する機能を備えており、すべての利用者に安心感を提供します。
日立の台湾における役割
日立永大電梯は1966年に設立され以来、台湾の昇降機業界のリーダーとしての地位を確立しています。日立は1968年に業務提携を開始し、その後も協力関係を続けています。2020年には日立永大電梯を連結子会社化し、2022年には完全子会社化しました。これにより、さらに強固なビジネス基盤を築き、安全で高品質な製品を提供しています。
経営理念と今後の展望
日立永大電梯の董事長である井手浩二氏は、「安全第一」の理念を強く掲げており、「高品質な製品とサービスを提供することに全力を注いでいる」と語っています。今後も大型かつ高品質なプロジェクトに重点を置き、安全で多様なサービスを展開する方針です。
日立グループはデジタル技術やグリーンイノベーションを駆使し、社会イノベーション事業を推進しており、台湾の交通網の発展にも大きく寄与しています。今後、台北MRT万大-中和-樹林線が運行開始されることにより、地域における交通の利便性は飛躍的に向上することでしょう。
まとめ
日立グループの台北MRT万大-中和-樹林線への昇降機の一括受注は、台湾における公共交通機関の安全性と効率性を高める大きな一歩です。鉄道網の拡充と共に、日立の技術と経験が地方交通の未来をどのように形作るのか、今後に期待が寄せられています。