失声を克服する新たなツール「MyVoiceApp しゃべるん」
音声を失った方々に朗報です。新たに発売されたアプリ「MyVoiceApp しゃべるん」が、その名の通り、自分の声で会話を再現し、失声者のコミュニケーションの手助けを提供します。本アプリは、音声合成技術を用いるのではなく、手術前に録音した本人の肉声を再生します。これにより、失声後も自然な会話が可能になります。
簡単操作で持ち運びも楽々
「MyVoiceApp しゃべるん」はインターネット接続が不要で、タブレット端末を持ち歩くだけでいつでもどこでも利用可能です。利用者は画面に表示されたアイコンをタップするだけで、自分の声を使った発話ができます。その操作の簡単さは、失声症状を抱える人たちにとって大きな魅力でしょう。
失声患者のために開発された経緯
日本国内では、頭頸部がんの手術などで失声者が毎年約5000〜6000人に達すると推定されています。また、手術後に一時的に失声する患者も約1万人存在します。これらの方々は、現在、携帯電話や音声合成ソフトを利用することが一般的ですが、「自分の声ではない」という事実が精神的な負担を与えていました。そこで、ティー・フォー・ティー株式会社と兵庫医科大学は2012年から共同研究を開始し、このアプリの開発に至りました。
アプリの特徴と今後の展望
「MyVoiceApp しゃべるん」は、以下の4つのコンセプトに基づいて設計されています。
1. 本人の肉声使用
2. 発したい音声を容易に見つけられる設計
3. 単純な操作で移動が簡単
4. 価格を抑えた手頃な価格設定
最新のタブレット技術を活用し、音声合成機能を省くことで、低価格で提供可能になりました。さらに、日常生活で頻繁に使用される約80種類の音声アイコンが事前に用意されています。今後は、さらに機能の強化やアイコン画像の追加を予定しており、利用者にとってより実用的なツールへと進化させる計画です。
ティー・フォー・ティー株式会社について
ティー・フォー・ティー株式会社は2003年に設立され、東京都杉並区に本社を構えています。代表取締役の杉田泰輔氏のもと、モバイルアプリケーションの開発に力を入れ、社会貢献を目指しています。自社の製品「MyVoiceApp しゃべるん」を通じて、失声者のQOL(生活の質)向上に貢献することを目指しています。
公式ウェブサイト:
ティー・フォー・ティー株式会社
このアプリは、音声によるコミュニケーションに新たな可能性をもたらすものです。コミュニケーションの壁を乗り越える一助として、多くの人に利用されることを期待しています。